沈黙の貴乃花がタニマチに明かした「本当のワルは白鵬」「私は完全にハメられた」

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野球賭博問題からの因縁

 実際、モンゴル力士に詳しい相撲関係者によると、

「白鵬は、警察の事情聴取に、日馬富士を制止したのは自分だと言い張っていました。でも、それを疑問視する声が上がっている。同席した鶴竜は、“俺の躾が悪いので、これで勘弁してやってください”と頭を下げ、貴ノ岩を庇っていた。照ノ富士も暴行を止めようとして、巻き添えを食っている。一方、白鵬については、貴ノ岩には、“助けてもらった”という認識がない。それどころか、日馬富士を唆したのは白鵬ではないかと一部では囁かれているのです」

 日馬富士は12月11日に書類送検された。今後、白鵬の関与の疑いが暴かれることはあるのか。

 さらに、貴乃花親方は相撲協会への不信感も露わにしていたという。

 前出のタニマチが話を続ける。

「鳥取県警から相撲協会に、正式な連絡が入ったのが11月2日。それから、スポニチが暴行事件をスクープする14日まで、2週間近くの空白期間が存在しました。相撲協会は3日に、貴乃花、伊勢ヶ濱の両親方から電話聴取したほかは、ほとんど調査を行わなかった。これでは、貴乃花親方が協会に不信感を持つのも無理はありません。そして、その対象は協会ナンバー2の事業部長、尾車親方なのでしょう」

 実は、貴乃花親方と尾車親方の間には、浅からぬ因縁がある。それは、角界に激震が走った2010年の野球賭博問題まで遡るという。

 貴乃花親方曰く、

〈野球賭博に関わった琴光喜は、その責任を取らされ、協会から解雇されました。処分がそれほど重くなったのは、理事選で私に1票を投じたからではないでしょうか。逮捕されたわけでもないのに、私のせいで、尾車親方に辞めさせられたと疑わざるを得ませんでした〉

 ベテランの相撲ジャーナリストが補足する。

「かつて、相撲協会の理事は5つの一門それぞれから推薦された10人の親方が務めていました。ところが、10年1月、貴乃花親方が所属する二所ノ関一門を飛び出し、理事選に名乗りを上げるという掟破りを行った。結局、貴乃花親方はギリギリで当選することができたのですが、獲得した10票のうちの1票が力士代表の琴光喜によるものでした」

 それから、わずか半年足らずで、野球賭博問題が明るみに出る。

「貴乃花親方は琴光喜への恩義からか、大関から十両への降格処分で収めるべきだと、理事を辞める覚悟で解雇に抵抗しました。しかし、その訴えは撥ねつけられ、当時、相撲協会の危機管理担当だった尾車親方を中心にして、処分は断行されたのです」(同)

 暴行事件以前から、貴乃花親方と尾車親方の間にはわだかまりがあったのである。

 さて、相撲協会に対し、伊勢ヶ濱親方は貴乃花親方から暴行事件を知らされていたのかどうかなどを問い合わせたところ、

「指摘するような事実は一切ございません」 

 との回答。

 身を捨てる決意で、相撲協会とのガチンコ勝負に挑む貴乃花親方。いよいよ土俵際に追い込まれた感はあるが、玉砕覚悟のうっちゃりを繰り出せるか否か。

週刊新潮 2017年12月21日号掲載

特集「『貴乃花』は玉砕するのか」より

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