経済界で続くデータ改竄 「経団連」次期会長人事にも暗い影

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1000社以上

 だが、第一報以降、新聞各紙は次期会長人事について沈黙を貫いている。全国紙の経済部キャップが説明するには、

「やはり、中西さんが“大本命”だと思います。ですが、神戸製鋼所で明るみに出たデータ改竄が、三菱マテリアルの子会社でも発覚したことで、素材メーカー各社は社内で検査データの再確認を急いでいる。その最中に榊原さんのお膝元でも不祥事が起きたので、迂闊に書けなくなったのです」

 三菱マテリアルの子会社でデータ改竄が発覚した後の11月27日、榊原氏は経団連の定例記者会見でこう懸念を口にしていた。

「日本の製造業への信頼に影響を及ぼしかねない深刻な事態と受け止めている」

 その翌日、よりによって榊原氏の出身母体である東レの100%子会社で、データ改竄が発覚。しかも、榊原氏の社長、会長在任時から不正行為が行われていたことが明らかになったのである。

「電機メーカーとして知られる日立製作所には、関連会社が1000社以上ある。そのなかには素材メーカーも含まれているので、万が一、データ改竄が発覚したら、経団連次期会長人事は白紙に戻りかねません」(先のキャップ)

 そこで日立製作所の広報・IR部に聞くと、

「他社の事案を踏まえて、“コンプライアンス問題”を調査しております」

 経済ジャーナリストの福山清人氏が、今後の会長人事を占う。

「日立製作所社内では、“経団連会長就任後にデータ改竄が発覚したら、ダメージは計り知れない”と、危惧する声も少なくありません。中西さんの会長就任が白紙になったら“有資格者”は見当たらず、経団連は大混乱するでしょう」

 最近は、自民党の集金マシーンと揶揄される経団連。“解体”しても誰も困らないのでは、てな声もある。

週刊新潮 2017年12月14日号掲載

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