スポーツ紙カメラマンが「嵐」写真を無断販売 社内は制裁に戦々恐々

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“厳正に対処”

 販売されていた生写真の一例を挙げると、「嵐」のメンバーに「関ジャニ∞」、「KinKi Kids」といったジャニーズタレントの顔ぶれ。いずれも、ドラマの会見やNHK紅白歌合戦のリハーサルといったマスコミ関係者でなければ撮影出来ないものばかりだ。十数枚〜数十枚のセットで出品し、4000円以上するものもあったという。が、どうやら、これらは氷山の一角にすぎないようだ。

「他社のカメラマンにも聞いたところ、現場で怪しい動きをしていると有名でした。例えば、グループ全体の写真があれば十分であっても、カメラを持ち替えて、メンバーの一人一人を念入りに撮る。以前からやっていたフシがあります」(同)

 法的な問題はないのか。著作権に詳しい金井重彦弁護士が解説する。

「一般的に新聞社の社員カメラマンが撮影した写真の著作権は、職務著作として新聞社に帰属し、無断での転売は著作権侵害に当たります。仮に新聞社が刑事告訴を行った場合、受理される可能性はあるでしょう」

 もっともその場合でも現実的には、起訴猶予程度ではないかという。が、むしろ、大事に発展しそうな点は、別にある。

「流出させたのが、ジャニーズだったという点です」

 とは、他紙の記者。

「辞めたメンバーの写真でさえ使わせないほどですから、我々は写真の二次使用すら無断ですることはありません。関係が悪化すれば、取材や出演を断られて、自分たちが困ることになるため、暗黙のルールとして守っている」

 それを流出させたとあっては、ジャニーズの怒りを買うのは必至。実際、ジャニーズ事務所の代理人は、

「ご指摘のような行為があったとすれば、タレントのパブリシティ権を侵害する違法行為であり、厳正に対処せざるを得ません。現在調査中と伺っていますので、結果を待ちたいと思います」

 怒り心頭といった様子であるが、当のカメラマンは、

「僕の方からお話しすることはできません」

 と言葉少なに語るのみ。中日新聞東京本社も、

「調査中のため、回答を差し控えます」

 発覚から4カ月。未だに処分が下せていないというから、なんとも情けない。

週刊新潮 2017年11月23日号掲載

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