「座間9遺体」白石容疑者、判決までに要する時間は

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 逮捕されてからの白石隆浩容疑者(27)は、シャバで犯した鬼畜の所業に反して、意外にも積極的に取り調べに応じているという。無論、有罪となれば、殺害した人数からして、極刑を免れることはあるまい。この先、“SNSの魔物”は執行までどのような道程を辿ることになるのか。

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 社会部記者によれば、

「逮捕後の白石容疑者は、報じられている内容からも解かる通り、よく供述しています。あらかじめネットで殺害や解体方法を調べて、千枚通しやノコギリなどを購入したといったことまで。弁護士が黙秘を勧めても一向に耳を貸さないと聞きます」

 狡猾な殺人鬼らしからぬ態度に、“あいつは、男だ”などと皮肉る捜査員もいるほどだと言う。元東京地検検事の郷原信郎弁護士も、

「金銭目的や姦淫目的だと報じられていますが、説明としては理解できない内容ばかり。しかも、白石容疑者は自分に不利なことをペラペラとしゃべっていて、意味が解からない」

 もっとも警察は自信があるようだ。

「当初の逮捕容疑は死体遺棄。警察は勾留期限が来たら23歳の女性に対する殺人で再逮捕をする方針です。残り8人に関しては、殺人と死体遺棄のセットで8回再逮捕し、捜査終了まで約半年。ただ、殺害方法は首を絞めたという供述ですが、首が残っていないため立証できない。それでも話にブレがないため絞殺でいけると踏んでいる」(先の記者)

 裁判が始まってから、供述を翻される危険性はないのか。甲南大学法科大学院教授の園田寿弁護士は、

「裁判員裁判の対象となる重大事件は取り調べの様子を録画・録音することになっているので、自白の任意性について争われることはありません」

 最大の争点は責任能力の有無。精神鑑定の結果に関しては検察・弁護側双方で争いが予想される。では、判決までにどのくらいの時間がかかるのか。

「起訴までに半年、さらに、公判前整理手続きに約半年かけ、第1審の判決まで計1年半以上。判決はやはり死刑になる可能性が高いでしょうが、仮に最高裁まで争うと結論が出るまで、高裁、最高裁とそれぞれ約1年は時間を要します」(同)

 つまり白石容疑者が争うつもりならば、判決確定までに約3年半。9人の命を奪っておきながら、実際に13階段を上るとなると、それ以上、殺人鬼はこの世に生きながらえることになるのだ。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

特集「9人殺害に匹敵するもう一つの大罪! 眠れる快楽殺人者を起こした『白石隆浩』の揺り籠から絞首台まで」より

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