診断から30年、みのもんたの「糖尿病」コントロール術 著名人が明かす克服法

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極端な糖質制限の是非

 森永氏の場合、糖質制限が劇的な効果を上げたわけだ。しかし、だからといって、糖尿病患者が全員糖質制限に取り組めば良い、ということでは決してない。

 公益財団法人結核予防会総合健診推進センター所長で日本肥満症予防協会副理事長の宮崎滋氏は、

「糖質制限をすることで、確かに血糖値は下がります。しかし、極端な糖質制限は長期的なリスクの検証整理がまだされていません。例えば、糖質制限により、脂質の量が相対的に増えます。脂質の量が増えることにより、動脈硬化が進みます」

 と警鐘を鳴らすが、先の板倉氏に聞いても、

「厚労省の指針によれば、私たちが体内に取り込む糖質、脂質、タンパク質の3種類のうち、糖質で全エネルギーの50%〜65%を補うのが良いとされています。糖質制限でそれを40%程度に抑えるのは良いと思いますが、それ以上に極端に減らしてしまうことはおすすめできません」

 バランスが大事というわけだが、食事の際、食べる順番に気を付けるだけでも血糖値の上昇は抑制出来る。

「食べる順番はベジファースト、野菜優先で食べて下さい。その次に大豆製品や魚などを食べると、血糖値の上昇がゆるやかになります。実は日本の懐石料理は血糖値の面から見ると、実に理にかなった順番で出てくるのです」(宮崎氏)

「もずくやワカメなどの海藻類には糖の吸収を抑える水溶性食物繊維が豊富に含まれていますから、それらを先に摂るのも良いですね。麺類を食べるなら、出来れば蕎麦がいい。蕎麦には食物繊維やビタミン、カリウム群が豊富で、血糖値の上昇もゆるやかです。一方、うどんは塩分や糖質が多く、良くありません」(板倉氏)

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