「安倍総理」勝利ではなく野党のオウンゴール いつ切れるか“アッキ―レス腱”

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「陛下の退位まで…」

 安倍総理が内心、「俺が勝ったのだ」と思っていることを強く窺わせる光景だった。事実、彼を支える杉田和博官房副長官も、10月20日に朝日新聞が〈天皇陛下退位 19年3月末〉と報じたことを受け、

「『安倍政権は陛下の退位に磐石の体制で臨む』と豪語していた。言わずもがな、退位は来年9月の自民党総裁選以降になりますから、つまり杉田さんは、安倍さんは総裁3選を果たして続投し、改憲に邁進すると言っているに等しいわけです」(全国紙政治部デスク)

 しかし、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「これまで通り」とはいかないと見る。

「今回は安倍さんの勝利ではなく、野党のオウンゴールに自民党が助けられた形です。自民党内にはストレスが溜まっていて、ポスト安倍を狙う岸田さん(文雄・政調会長)の派閥からは、『(安倍総裁3選で)あと4年も安倍政権なんて勘弁してくれ』という声が聞こえてきています。森友・加計問題も、立憲民主党などから改めて徹底的に追及されることになるでしょう」

 モリカケ問題の蒸し返し、それは同時に昭恵夫人に再び「負のスポットライト」が当たることを意味する。

 夫人の言動に足を掬(すく)われながらも、小池氏の自滅に救われ、女性に翻弄された安倍総理。定まらない「不思議の勝ち」の価値――。

週刊新潮 2017年11月2日号掲載

特集「怨念と策謀が渦巻いた 女たちの『関ヶ原』」より

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