金スマ「社交ダンス世界選手権」で大注目「キンタロー。」のマジメ過ぎる素顔 髭男爵がルポ

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「もっと明るくなりたい」

 疑問は去ったが、心配が残る。

 果たして彼女は、女芸人の輪に入って行けるのだろうか。

 キンタローの主力武器は、可愛い女性芸能人のモノマネ。しかも、毒を含むネタである。畢竟、対象タレントのファンから叩かれ炎上するリスクを伴う。その着火力は、BBQに携帯して行きたいほど。勿論、面白いのだが、彼女のネタは総じて男性ウケを狙ったものが多く、パフォーマンスの空気感、瞬発力は、男芸人のそれに近い。いや芸風云々以前に、

「そういうの目指してるんですよ! “女感”が出るの嫌なんです!」

 と熱弁する彼女の言葉に、

(……そういうところじゃない?)

 との思いは禁じえない。女芸人と仲良くしたい人間が、「女感が嫌」発言は如何にも拙い。(中略)

 礼儀正しく、真面目で、明るい一面もある。しかしそれ故に、

「この子は“何か思ってる”なー……」

 という、面倒臭さ、いや「しんどさ」が常に付き纏うのである。気が付けば、

「そんな事無いよ!」「大丈夫だと思うよ?」しか言っていない筆者。

「もっと明るくなりたい……」

 と暗い口調で語るキンタロー。もはや、只のカウンセリングである。

 しかし、彼女に思い悩んでいる暇はない。キンタローの目前には大勝負が控える。番組企画で始まった挑戦で結果を出し、来たる10月、社交ダンス世界大会の出場権を見事勝ち取ったのである。(略)

 彼女をよく知るマネージャー氏は言う。

「モノマネでブレイクして、社交ダンスで世界大会に選ばれるなんて普通は出来ない。モノマネだけであれば一発屋で終わったかもしれません。でも彼女には演技もダンスもある。“そういう星”の下に生まれたのだと思います」

 現在、芸歴6年目。しかし、「周囲を笑わせる!」と決意したあの幼き日からの下積みを思えば、実は彼女は大ベテラン。その全てが今実を結びつつある。

 ***

 全文は現在発売中の「新潮45」11月号で、大好評連載中の「一発屋芸人列伝」に掲載。山田ルイ53世が、キンタローのマジメすぎる素顔を、さらに深くルポしている。

新潮45 2017年11月号掲載

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