“前原代表”が直面する「共産」「小沢」の難題

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 鉄道オタクとアイドルオタクの対決とも言われるが、すでに雌雄は決したともっぱらだ。9月1日に投開票される民進党の代表選は、前原誠司氏(55)と枝野幸男氏(53)の一騎打ちとなった。

 政治部記者が言う。

「18日に前原選対が議員票の票読みをしたところ、86対43のダブルスコアで勝っていた。態度不明の議員や地方票を入れても、前原さんのワンサイドゲームになりつつあります」

 そこで早くも“前原代表”の難題が指摘されている。

「共産党を本音では毛嫌いしている前原さんのこと、野党共闘をどうするか、大きな課題になります」(同)

 前原陣営のさる議員は、

「共産党は天皇制を否定しているし、外交安保も政策がかけ離れている。一緒にできるわけないでしょう」

 18日、フジテレビの番組に出演した前原氏も共闘見直しを示唆した。ところが、

「共闘を即座に破棄するなんてありえません」

 と、先の記者が続ける。

「前原陣営の中には、共闘に同調する人はもちろん、小沢一郎さんに近い議員も含まれています。小沢さんの今後のプランは民進、社民と自由党が合併して、共産党と選挙協力する、というものですが……」

 昨年来、前原氏は小沢氏と会食を重ねている故、

「無視するわけにもいかず、さらに10月のトリプル補選で全敗でもすれば、求心力が低下して、さらに離党者が続出しかねない。結果、少なくとも選挙協力はせざるを得ないと、頭を抱えることになりそうです」(同)

 20日、都内の鉄道イベントに登壇した前原氏に野党共闘について尋ねると、

「政策理念が一致しないとね。鉄道だってゲージ(線路の幅)が同じ車両でないと、一緒に走れませんから」

 一致結束して、“出発進行”となりますやら。

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

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