安倍首相のいささか唐突な提案によって、また大きくクローズアップされることになった憲法9条――その改正を訴える改憲派は、護憲派に対して「洗脳されている」といったことばを用いて批判することがしばしばある。
戦後、GHQが日本人に対してある種の洗脳に近い教育あるいは「指導」を行なっていたことは事実だ。だが、当然ながらもうGHQは日本にいない。ではいま、誰が国民を「洗脳」しているのか。それを「朝日新聞」という人もいれば、「日教組」の存在の大きさを指摘する人もいるだろう。...
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もしも池上彰さんが憲法の前文を「超訳」したら
■憲法は悪文か
日本国憲法を改正せよという改憲論者が挙げるその理由は様々である。「米国に押し付けられたものだから」「時代に適合していないから」等々。また、「文章がおかしい」という指摘もある。石原慎太郎氏は、政界引退会見で、憲法の前文についてこんなコメントをしている。
「あの醜い前文ひとつを見ても、間違いが非常に多い」
石原氏によれば、助詞の使い方ひとつとっても間違いがたくさんあるという。
「例えば『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して』という部分だが、人にお金を貸すとき、『あなたに信頼してお金を貸します』とは言わない。...
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