「千葉真一」が肺がんで逝った「元妻・野際陽子」を語り尽くす 「俺は嵌められたの。からめ捕られちゃったの」

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「だってかっこいいもん」と言われ

〈2人が結婚したのは、1973年のこと。キッカケはTBSドラマ「キイハンター」での共演だ。結婚は世間を驚かせた。千葉は日体大中退「肉体派」アクション俳優。他方、野際は「ミス立教」でNHKにアナウンサーとして入局。退社後はフランスに留学した「お嬢様」女優である。30代半ばでの結婚、しかも夫が3つ年下で、当時の週刊誌を繙くと「水と油」なんて表現が並んでいるが……〉

 違うんだよ。俺は嵌められたの。からめ捕られちゃったの。陽子ってね、めちゃくちゃ人見知りが強い子なんだ。気位が高そうに見えちゃうんだよね。

 だから最初はキライな女だった。でも、付き合ってみたらあんなに面白い女はいない。夜中の12時に「今どこにいるの?」「新宿だよ」「私、行く」って必ず来るんだよ。で、朝まで酒飲んじゃう。

 最近ちょっと俺に対する目線が違う、何だろう、気があんのかな、と思っていたら、ガンガン来たね。気が付いたら手を握られていた。「なんで握るんだよ」と言うと、「だってかっこいいもん」。この女とそんなことになっちゃヤベえと思っていたら、いつの間にかそんなことになっちゃって、「部屋に来ない?」って……。それが陽子が最期まで住んでいた(東京・文京区の)「川口アパートメント」だった。

付き合っていた男を全部知ってる

〈付き合いも結婚も野際が“押す”。意外な「肉食系」の素顔が浮かび上がる。結婚式は、エーゲ海の客船上。こうして異色夫婦の新婚生活が始まったのだ。〉

 信じられないかもしれないけど、ほとんど夫婦喧嘩はしなかった。ホントだよ。陽子ほど男をうまく操る女はいないね。俺の性格を知っていて、接し方がうまいんだね。俺が機嫌が悪いとコロッと違うことを言って、笑わせたりするんだよ。

 バカさ加減が面白い。例えば、俺、陽子が俺の前に付き合っていた男を全部知ってるんだよ。何でって、陽子がしゃべるからさ。「この人」とは言わないよ。「この国の人」って。彼女は海外に留学していたからね。で、一部始終をベラベラしゃべるんだよ。

 あんまり言うから、「陽子、お前、そういう話を平気で俺にするけど、どんなに傷ついているのかわかってんのか!」と言うと、「あっごめんなさい。やっぱり傷つく? でも時効だから」。そりゃお前にとっちゃそうだけど、こっちは初めて聞くんだから!

 でもカラッとしているから、不思議と嫌味には聞こえない。「ま、いいか」で許せちゃう。だから喧嘩にはならないんだよ。

 ***

「陽子ほど男をうまく操る女はいない」――。それでもふたりが離婚を選んだ真の理由とは。第2回【「離婚会見の席でもずっと手を握っていた」…元夫「千葉真一」が語り尽くした「野際陽子」との“本当の仲”】では、「俺と結婚していない方が良かったんだ」と感じた理由などについて明かしている。

デイリー新潮編集部

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