「千葉真一」が肺がんで逝った「元妻・野際陽子」を語り尽くす 「俺は嵌められたの。からめ捕られちゃったの」

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 2017年6月13日に野際陽子さんが死去してから、早くも8年の歳月が流れた。享年81。NHKのアナウンサーとしてNHK活躍し、司会業を経て俳優の道に。1968年から始まったドラマ「キイハンター」で人気を不動のものにすると、年齢を重ねるごとに様々な役を演じ、大俳優への階段をのぼっていった。

 千葉真一さん(2021年8月19日死去、享年82)との婚約を発表したのは、1972年のこと。結婚生活は1994年に終わりを迎えたが、野際さんは離婚会見で「出会った『キイハンター』のころの友達に戻りたかった」などと語り、いまで言う“卒婚”のニュアンスも感じられた。

 野際さんの訃報が流れた時の千葉さんは、一部のメディアにコメントを出すにとどまった。そこで当時の「週刊新潮」は、改めてロングインタビューをオファー。千葉さんはそこでようやく、22年間連れ添った妻の素顔と思いの丈を明かした――。

(全2回の第1回:「週刊新潮」2017年6月29日号「俺をからめ捕った肉食系『野際陽子』」を再編集しました)

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俺は「見るまで信じない」と言った

 ばぁか……。

 陽子にはそう言いたいね。

 仕事なんかやらなきゃ良かったのに。もうちょっとしっかりと休めば良かったのに。俳優は身体が第一だろ。それにもう年なんだからさ……。

 実は、俺は娘を通じて彼女にそう伝えていたんだ。でも聞いてもらえなかった。まぁ、あの人は仕事が好きで好きでたまらなかったんだよ。だからそれを全うしたということになるのかな。

〈そう語る、千葉真一。独特の口調に、アクション俳優ゆえの身振り手振りを交えて「元妻」を回想する。〉

 亡くなった(6月)13日は、俺は地方にいたんだ。陽子の死は、(娘の女優・真瀬)樹里からの電話で知った。俺より何より、樹里のショックが大きくてね。電話口でワーワー泣くんだよ。陽子は死ぬ前に、「ママの跡をしっかり継いでね」と言ったらしい。だから、俺は「見るまで信じない」と言ったんだ。本心かどうか、それくらいしか言葉が見つからなかった。

あの人は昔から仕事第一だった

〈3年前、肺がんが発覚した野際は、以来2度の手術と抗がん剤治療を受けながら仕事を続けた。このクールもテレビ朝日「やすらぎの郷」に出演。茶の間に姿を見せ続ける中での“戦死”だった。

 千葉は、その野際と1994年に離婚するまでの22年間を夫婦として過ごした。しかし、訃報後は、一部のメディアにコメントしたのみ。今回、旧知の俳優・岡崎二朗氏を通じ、改めてインタビューを申し込んだところ、口を開いた。〉

 離婚後も、娘を通じて連絡を取っていたから、陽子の病気のことは知っていた。はじめはがんのことは、俺にも隠していたんだよ。でも2年前に入院してわかった。

 一昨年も体調が悪いのにスキーに行っていたと聞いてね。無理しちゃダメだよ、と伝えたんだ。本当は仕事なんてしないで、キチッと療養していれば良かったんだけど、あの人は仕事第一だったからな。昔からそうだった。

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