加計学園疑惑、安倍官邸が暴露した「文書リーク官僚」の風俗通い “何度も店に来ていた”との証言

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■インタビューも

 いち早く、文書の存在を報じたのはNHKだった。

 まず、5月16日の夜9時32分、ネットニュースで配信。さらに、「ニュースチェック11」でも文書を映像で流した。翌17日には、朝日新聞が朝刊で記事にしている。

「問題のその文書は、社会部の文科省担当記者が前川さんから貰ったものに間違いありません」

 とは、NHK関係者。

「しかし、文書自体は正式な報告書などではなく、前川さん自身か、もしくは部下が作成したであろうメモの類です。実は、前川さんのインタビューも収録済み。ですが、未だにそれは放送されていない。というのも、前川さんに“買春疑惑”が持ち上がってきたからです。そんな破廉恥な元役人の話に丸乗りして、安倍総理を追及するのは危険ではないかという判断が、局の上層部であったみたいです」

 大学における学部新設の許認可権を持つ文科省のトップが、加計学園の獣医学部新設は“総理のご意向”で圧力を感じたと告発したら、衝撃的だったに違いない。

 しかし、先に触れた新宿・歌舞伎町の“出会い系バー”通いが原因で、インタビューはお蔵入りとなったわけなのだ。しかも、それは安倍官邸による計略の結果だったという。

 その内幕を明かしてくれるのは、朝日新聞の関係者だ。

「うちのネタ元も前川さんです。ただ、記事にしたあとに、官邸スタッフから、“安倍総理周辺は、どこかのメディアと組んで前川さんに人格攻撃を仕掛けようとしている。その結果、前川さんの出した文書の信憑性が問われ、丸々報じた朝日も恥を掻くことになるから”と言われました」

 つまり、安倍官邸は警察当局などに前川前次官の醜聞情報を集めさせ、友好的なメディアを使って取材させ、彼に報復するとともに口封じに動いたという。事実、前川前次官を貶(おとし)めようと、取材を進めるメディアがあった。

 前出の“出会い系バー”にいた20代後半の女性によると、

「あなたが来る2日前から、読売新聞の2人組がここに来ていた。最初は名乗らず、あなたと同じ写真を見せながら“同じ会社のすごい人なんだ”とか言って、何人もの女の子を食事に連れ出し、色々と話を聞き出そうとしていたよ」

 取材の努力が実を結び、読売新聞は5月22日付朝刊で、「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」という見出しで、新聞メディアとしては異例とも言える内容の記事を社会面に掲載した。

 その結果、安倍官邸の目論見通り、前川前次官の信頼や名声は、あっけなく地に落ちたのだ。

特集「加計学園疑惑の場外乱闘! 安倍官邸が暴露した『文書リーク官僚』の風俗通い」より

週刊新潮 2017年6月1日号掲載

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