トランプ長女・イヴァンカ、日本でのブランド展開に「利益相反」問題

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IvankaTrump公式HPより

 ファッションモデルにして超セレブ。トランプ新政権のキーマンのひとりと見られている長女のイヴァンカ氏(35)に関してはその華やかさが注目されがちだが、

「外務省は彼女の『力』に注目しています」

 と、大手紙の政治部記者は解説する。というのも、

「見た目の『チャラさ』とは異なり、イヴァンカは難関大学のペンシルベニア大を卒業した才女。トランプ政権で大きな影響力を持つことになるのは間違いなく、彼女を通じて、日本政府の考えを新政権に刷り込みたいと目論んでいるんです」

 事実、国際ジャーナリストの堀田佳男氏はイヴァンカ氏の「重要性」をこう説く。

「制度上、『大統領の妻』がファーストレディであるため、メラニア夫人がその座に就くことになりますが、旧ユーゴスラビア出身の彼女は英語が達者ではないこともあり、出来ることが限られてくる。そのため、イヴァンカさんが実質的なファーストレディを務めることになるのではないかと見られています」

 容姿だけでなくその「政治力」が耳目を集めているイヴァンカ氏は目下、自らがCEOを務めるファッションブランド事業を拡大中で、日本進出を狙っていることは本誌(「週刊新潮」)(16年12月1日号)で報じた通りである。

「イヴァンカ・ブランドは日本のアパレル企業『サンエー』と組むことを検討しています。これは外務省にとって好都合。なぜなら、サンエーの親会社の筆頭株主は日本政策投資銀行であり、このルートで、イヴァンカに影響力を行使できると踏んでいるからです」(前出記者)

 ところが、イヴァンカ・ブランドは春にも日本展開を開始するとしていたものの、今に至るもサンエーと正式契約に至っていない。

「米国大統領の娘が、日本の政府系銀行の『支配下』に入るのは利益相反ではないかと批判されていることが原因のようです」(ファッション業界関係者)

 サンエーの親会社は、

「現在もイヴァンカ・ブランドとは交渉中です」

 とした上で、利益相反がネックになっているのかについては、

「どうですかねえ。契約合意の目処も、何とも……」

 と、いかにも歯切れが悪いのだった。

特集「嵐の中へ船出した超大国『トランプ大統領』という魔人の急所」より

週刊新潮 2017年1月26日号掲載

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