蓮舫が圧勝ムードの民進代表選…前原誠司の損得勘定とは

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 列島中が台風10号の襲来を警戒していた先月26日、民進党執行部だけは“風が吹いた”と喜んだに違いない。蓮舫氏(48)の無投票当選が囁かれていた党代表選(2日告示、15日投開票)に、対抗馬が現れたのだ。

転んでもタダでは起きない

 前原誠司議員(54)である。

 野党担当記者の解説。

「数少ない話題作りのチャンスである代表選が無投票では、党の存在感が薄れていくばかり。国会開幕を前に見せ場を演出したかった執行部は、前原の出馬に胸を撫で下ろしていますよ」

 事実上2人の一騎打ちとなる見通しだが、初の女性党首誕生に期待する向きは党内で強く、蓮舫氏の圧勝ムード。御本人も油断したのか、記者会見で岡田克也党代表を「つまらない男」とこき下ろす始末。

 民進党中堅議員も嘆く。

「早々に出馬表明したにも拘らず、投票権を持つ地方議員に協力要請をしている様子は聞こえてこない。支持派からでさえ『やる気が感じられない』という声が上がっています」

 一方、負け戦覚悟の前原氏には“損得勘定”が透けて見える。

 政治ジャーナリストの話。

「落選後に党を割って日本維新の会に移籍するのではと囁かれています。共産党との共闘や憲法改正への対応を対立軸に戦って敗れたら、『これ以上民進党に残っても意味がない』という大義が立ちます。人材不足の維新からしても、知名度が高く、政策面でも近い前原が来るとなれば、共同代表のポストを用意するのでは」

 民進党幹部の1人はこう分析するのだ。

「目下彼が狙っているのは党役員の座。党の慣例上、挙党一致を示すために、落選した人にはなんらかのポストが用意されますからね」

 どちらが代表になっても、永田町の“台風の目”にはなれそうにない。

週刊新潮 2016年9月8日号掲載

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