中村紘子、がんと闘いながら設立の「日本パデレフスキ協会」

アート週刊新潮 2016年8月11・18日夏季特大号掲載

 日本にコンサートホールが一つもない時代にピアノを始め、やがて日本中の家庭にピアノを普及させた女性、それが亡くなった中村紘子さんだ。彼女が晩年、情熱を注いだのは、あるピアニストの名を冠した音楽団体の設立だった。

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「中村紘子さんは戦後日本で、“日の丸を背負ったアーチスト”でした。その意味で、小澤征爾さんと双璧の存在。ピアニストという存在を超えた文化人で、そのスター性と大衆性でクラシック音楽文化の普及に大きく貢献しました」

 そう振り返るのはクラシック雑誌「モーストリー・クラシック」の初代編集長で音楽プロデューサーの田中良幸氏だ。

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