息子3人を東大理IIIに合格させた凄腕「プロママ」ご亭主は選挙で3連敗

国内 社会 週刊新潮 2015年10月15日神無月増大号掲載

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 孟母三遷の現代版と言うべきか、生活のほとんどを教育に傾け息子3人を東大理IIIに合格させたのが「プロママ」こと佐藤亮子さんだ。彼女の著書によると、ご亭主はあまり教育にタッチしなかったとあるが、子は親父の背中を見て育つものである。総選挙で3回連続落選の父を見て、世の中、勉強だけではないと思ったかどうか――。

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「プロママ」佐藤亮子さんの夫

 3歳までに1万冊の絵本を読み聞かせ、1歳から「公文」通い。東大模試でC判定を取ってきた次男には「ボーダー君、ご飯ですよ」とプレッシャーをかけつつ、テストは常に満点を狙わせる。そうやって息子3人を灘高から東大理IIIに合格させた佐藤さんだが、さらに現在高校生の娘「まあちゃん」がいて、彼女も東大理III志望なのだという。

 そんな、佐藤さんの近著『受験は母親が9割』(朝日新聞出版)には、ご主人の佐藤真理(まさみち)氏が、奈良市で弁護士をやっているとある。だが、教育はほとんど彼女任せだったとして、あまり登場してこない。実際、彼女はこう書く。

〈我が家では、子どもの教育は、私が100%の責任を持っています。主人は仕事が大好きで、生きがいを持って働いていましたから、私は子どもの教育を頑張ろうと。〉

 やったのは車での送り迎えぐらいで、妻ほど貢献していないというわけだが、知人によると仕事一途の庶民派弁護士なのだとか。

「佐藤弁護士は東大文学部のインド哲学科から司法試験を通った変わり種。面白い人で、年末に弁護士会の懇親会があるのですが、リクエストもしていないのに、渥美清の真似をしてみせたこともありました。寅さんそっくりで感心しましたよ」

「亭主元気で留守がいい」の典型例かと思ったら、この人、総選挙に3回もチャレンジした政治好きでもある。それも日本共産党からの出馬だ。

■ノーベル賞を取って欲しい

 佐藤氏が立候補したのは1996年(比例)と、2000年(小選挙区)、03年(小選挙区)だが、残念ながらいずれも当選圏内からは遠い得票数だった。

 元共産党議員の秘書で政治評論家の兵本達吉氏が言う。

「そもそも弁護士には共産党系が多いのです。私が現役の党員だったころ(90年代)は、日弁連に登録している弁護士のうち17%が共産党系でした。また、共産党本部が彼らを選挙に立てたがるのは労働者の代表よりも、中流層の票が取れるからです」

 そこで、ご本人の事務所を訪ねると、

「こんな風に超エリート教育をしていたのが話題になったら、もう共産党から立候補なんて出来ないよね」

 と笑顔で登場。

「政治には中学高校から興味があったのですが、共産党に入ったのは30歳の頃でした。当時、妻には入党したことも話していません。子供たちからも“親父と考え方は違う”と言われています。最初に選挙に出たのは急な解散があって追加公認の話があったから。2回目からは5回連続当選した議員の後継という形で出馬しました。しかし、小選挙区制というのは厳しい。街宣もやったし、家内も宣伝カーに乗ってくれましたが、事務所にも迷惑をかけられないので国政選挙は3回で止めにしました」

 子供のことに水を向けると、

「彼らには政治家になって欲しいとは思いません。それより、ノーベル賞ぐらいは取って欲しいなあ」

 と、やっぱり親バカな顔を見せるのであった。

「ワイド特集 ふとどき者と人のいう」より