ボロキレ、ワラが紙になった時代/『ごみと日本人――衛生・勤倹・リサイクルからみる近代史』

社会

 幕末から明治初年にかけ、木綿のボロ(襤褸)は重要な輸出品だった由。そう聞かされても、なかなか得心がゆかない。なぜ汚いボロキレが、麗々しく輸出品になどなるのか。本書によって初めて理解できた。今は紙(洋紙)といえば木材パルプから作られるのがもっぱらだが、かつてはボロこそ製紙産業の主原料だったから、と。買いたたかれた日本のボロが、欧米に運ばれ紙となったのだ。

 日本でも洋紙生産が始まると、王子など都市近郊に工場が建てられたのは、人口密集地でボロが集めやすかったからにほかならない。

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