山本夏彦『夏彦の写真コラム』傑作選 「人はいつまで無実か」(1998年9月)

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 すでに鬼籍に入ってしまったが、達人の「精神」は今も週刊新潮の中に脈々と息づいている。山本夏彦氏の『夏彦の写真コラム』。幾星霜を経てなお色あせない厳選「傑作コラム集」。

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 人はいつまで無実か? 露見(ろけん)するまで無実だ――と私は心得ているから、この一年来の高位高官の醜聞にも腹なんかたてなかった。笑った。ただ彼らは露見しただけで、まだ露見しない者どもはいずれほとぼりがさめるのを待っていると、はたしてほとぼりはさめるのである。

 検察というものには正義がある。...

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