健康にいいのはどっち? 素麺VS.冷やし中華、アイスVS.コーラ

ドクター新潮 医療 熱中症

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 残暑のなか夏の疲れが出て、食欲がすすまない。そんなときでもなんとか口にできる食べ物と言えば、冷たいものと甘いもの。食と健康の専門家に夏の風物詩を俎上にあげ、どちらがより健康によいのか検討してもらった。

■毎日食べるなら「素麺」か「冷やし中華」か

 冷やし中華がおススメ。それというのも素麺にはちょっとした薬味がつくが、少量なので栄養が偏ってしまうからだ。管理栄養士の荒牧麻子氏はこう解説する。

「冷やし中華にすれば、バランスよく栄養を摂ることができる。具材として定番のキュウリは身体にこもった熱を冷ましてくれるし、卵にはビタミンBが豊富です。ついでに言うと、中華丼もバランスが取れているので、いいですよ」

■甘いものが欲しい時に「アイスクリーム」か「コーラ飲料」か

「アイスクリームの方が望ましい。それは摂取スピードに関係している」

 こう語るのは、『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などの著書がある大西睦子医師。コーラはアイスと違って液体ゆえに500ミリリットルでもあっという間に飲んでしまう。そこが問題なのだ。

「ああいった糖分の多いものを勢いよく摂取すると、血糖値が急激に上がり、それを下げるために膵臓からインシュリンがどんどん分泌される。これを頻繁に繰り返すと、やがて膵臓が疲弊して上手く働くことができなくなり、インシュリン分泌のコントロールができなくなり、糖尿尿になってしまうのです」(同)

 同じ量の糖分を摂取するにしても、緩やかに吸収できれば膵臓への負担は抑えられる。もっとも、いくらゆっくりとは言っても、米国でよく見られるようなバケツサイズのアイスをひとりでペロリなんてことは、タブーだそうだ。

「特集 猛暑の夏の健康にいいのはどっちだ?」より

週刊新潮 2015年8月13・20日夏季特大号掲載

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