人と共に生きた馬の一生/『馬と人の江戸時代』

食・暮らし

 百頭近くの着飾った馬が北上川沿いを行列する岩手県の「チャグチャグ馬コ」、騎馬武者たちが神旗を争奪する福島県の「相馬野馬追」……。東北地方には今も馬が主役の伝統行事が少なくない。それは東北が古代以来、馬産地として名を馳せ、人馬が互いに寄り添う生活をずっと続けてきたなごりである。

 たとえば岩手県北、青森県南東部には一戸から九戸まで戸のつく地名が並ぶが、それらは「牧」の管理にかかわる地名で、中世期に「戸立(戸で産出)の馬」といえばすなわち駿馬を意味した。江戸期に造られた南部曲屋は、人馬が文字どおり一つ屋根の下に暮らす建物だ。

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