「中谷元」防衛相のダメ答弁の原因は「防衛大」の履修科目

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「安保法制」成立の旗振り役を期待されながら、もっぱら水を差す“赤い旗”ばかり振ってしまう中谷元(げん)防衛相(57)。どうしてこんなに国会答弁が下手なのか。原因は学生時代に……。

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 安保法制を葬りたい野党には、ありがたい存在だろう。衆院の特別委で「自衛隊員のリスクは増大しない」と言ったり、「増える」と言ったり、次々と“的”を提供してくれるのだから。

 むろん、安倍総理はもとより防衛省の官僚たちも冷や汗をかきっ放しで、

「失言させないように、秘書官が後ろから答弁用の差し紙を、方々から素早く差し出している。まるで“千手観音”だと揶揄されています」(政治部記者)

 6月15日の答弁でも、「PTSD」を「TPSD」と言い間違えた。

「中谷さんは以前から、なにを聞いても質問に的確に答えられませんでした」

 と記者は続けるが、国会を土砂降りにする人がなぜ、この大事な時期に防衛相になったのか。

「安保法制をめぐって野党と対峙できる石破茂さんが担当相を固辞。答弁能力が高い江渡聡徳さんも、政治資金問題が浮上して防衛相留任を断り、消去法で中谷さんになってしまった」

 そう語る政治アナリストの伊藤惇夫氏も、大臣の人柄のよさは認める。土佐高校で1年後輩のノンフィクション作家、門田隆将氏も、

「熱い人で仲間からの信頼も厚く、がっぷり四つの議論は得意だが、重箱の隅を突くような質問には弱い」

 が、愛されればこそ、であろう。以前からバックアップ体制に事欠かず、

「私の教え子で、イラク派遣で名を上げた陸自の番匠幸一郎が2001年、“今度、同期の中谷が防衛庁長官になる”と言いまして」

 と、防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛氏が回想する。

「そのとき“理系出身で文系の知識が弱い。ボロが出ないように同期でサポートしなければ”と言っていた。番匠たちはなんどもレクチャーしたそうですよ」

 専門家の手厚いサポートがあって、この体たらくだというのである。

 しかし、中谷大臣が卒業した防衛大学校の偏差値は、かなり高くなかったか。

■文系の授業がない

 河合塾広報に聞くと、

「防大には人文・社会科学専攻という文系学部と、理工学専攻という理系学部があり、前者は偏差値69で早慶の文学部と同程度。一方、後者は1次試験に英語、数学、物理か化学から1科目、小論文。2次に面接と身体検査が課せられ、偏差値はMARCHレベルの59。文系と理系で難易度にけっこう差がある。40年前も同じくらいだったはずです」

 とはいえ、簡単に突破できる入試ではなかっただろうし、入学後は大いに鍛えられたのではないのか。

「防大理系の履修科目には、文系の授業がほとんどない。例外が『憲法概論』で、将来の自衛官たる者、憲法ぐらい知っていなければ、という趣旨で設けられた科目ですが、それも一般教養程度の内容です」(佐瀬氏)

 もっとも、中谷大臣は答弁に失敗しても、いたって平常心だという。その“鈍感力”がどこで鍛えられたのかは、定かではない。

「ワイド特集 人生劇場『土砂降りの日』」より

週刊新潮 2015年6月25日風待月増大号 掲載

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