大阪都構想 維新の会が行うタウンミーティングはまるで「催眠商法」

国内 政治 新潮45 2015年5月号掲載

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 哲学者の適菜収氏が、大阪都構想を推進する「大阪維新の会」のタウンミーティング(TM)に参加し、その呆れた実態を告発、話題となっている。「これぞ戦後最大の詐欺である」(「新潮45」5月号掲載)というルポだ。

「新潮45」5月号「これぞ戦後最大の詐欺である」は現在下記URLにて期間限定で特別公開中。

>> これぞ戦後最大の詐欺である 適菜収(作家、哲学者)+本誌取材班――特集 「大阪都構想」の大嘘

 橋下徹大阪市長(45)や維新の面々が行う都構想の説明には、数々の誇張やごまかし、印象操作が存在すると指摘し、その内容を具体的に記している。

 大阪でのTMに参加した適菜氏は、まず橋下市長のこの発言に驚く。

“皆さん、大阪都構想というのは、もう立場の違いです。細かなメリット、デメリットの話ではありません”

 いつからそんな話になったのか。大阪都構想はメリット、デメリットの話だったはずである。橋下市長自身、これまでメリットは「無限」と強調してきた。適菜氏は唖然としてこう書く。

「橋下は『住民の皆さんの理解を得ることが一番重要だ』と述べる一方で、TMでは『細かい内容を理解する必要はない』と吹聴しているのだ」

 そして適菜氏は、橋下市長の以下の発言に、その話術の本質を見る。

“今の大阪府、大阪市にはものすごい問題、これはもうある。これを解決しないことには大阪には未来がない。これが大阪都構想、賛成の立場”
“今の大阪、大阪市の前提にしてもいくらでもそんなものはなんとかなるよという立場が、大阪都構想反対派の人たちです”

 こうした話の展開を適菜氏は、テキヤの口上になぞらえる。

「複雑な事象を単純化し、二項対立に落とし込む。『さあ奥さん、どっちを選びますか?』というわけだ」

 そして適菜氏は、橋下市長が説明する二重行政の弊害や大阪都の効果、自身の功績とする大阪市の教育予算などについて、事実と異なる点をひとつひとつ指摘していくのだ。

 一時間以上も喋り倒した橋下市長の気迫に聴衆は圧倒されていたという。

「スピーチの構成はよくできており、心理学の手法を応用した巧妙な詐欺である。その場では検証できない数値や嘘を積み重ねていくので、ある程度の教育を受けた人でも事前に情報や知識がなければ騙されてしまう。ましてや地元の老人が橋下の嘘を見抜けるとは思えない。」

 その様子はさながら「催眠商法の手口」だったというのが、適菜氏の感想である。

 さらに維新がTMや街頭演説で使っている「詐欺パネル」も取り上げ、グラフの目盛りがおかしかったり、数値を正しく反映していなかったり、重要なデータが隠されていることなどを次々あらわにしていく。

 この記事は「新潮45」5月号の特集「『大阪都構想』の大嘘」の一本。ほかに京都大学大学院教授の藤井聡氏、ジャーナリストの大谷昭宏氏らも寄稿している。さらに大阪維新の会を離党した大阪市会議員の村上満由さんが、維新の内情を明かす「私が『橋下維新』を離れた理由」と題する手記も寄せている。

「新潮45」5月号「これぞ戦後最大の詐欺である」は現在下記URLにて期間限定で特別公開中。

>> これぞ戦後最大の詐欺である 適菜収(作家、哲学者)+本誌取材班――特集 「大阪都構想」の大嘘

デイリー新潮編集部

適菜収(作家、哲学者)
1975年山梨県生まれ。早稲田大学で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。著書に『キリスト教は邪教です!』『日本をダメにしたB層の研究』『バカを治す』。最新刊は『なぜ世界は不幸になったのか。』