人類進化の視点から中年期を捉えなおす/『中年の新たなる物語 動物学、医学、進化学からのアプローチ』

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 多くの動物には、人間のような「中年期」はない。子孫を残すための生殖期間が終われば死を迎える。それなのに人間だけが、生殖適齢期を過ぎてから四〇年近く生きる。これは生物進化学的にも大きな謎の一つである。中年をめぐっては小さな謎もたくさんある。なぜ白髪になり、腹が出てくるのか。物忘れが増え、以前より一年を短く感じられるのはなぜなのか。はたまた、オヤジになると若い女性に手を出したがるのはどうしてか。

 本書は、そうした中年をめぐる大きな謎から小さな疑問までを、生殖生物学者であり動物学者でもあり執筆時四二歳の中年であった著者が、膨大な生物学の論文をベースに解き明かしていく物語である。

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