「平沢勝栄」代議士が警告! 朝鮮総連ビル灰色決着の裏に「中国人スパイ」

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 よもや、これにて一件落着で済まされる話ではなかろう。暗礁に乗り上げた日朝交渉を尻目に、朝鮮総連の手元には本部ビルが舞い戻ることとなった。競売の開始決定から2年半もの年月をかけ、結局は総連が笑うという最悪のシナリオが実現した背景には、“中国の大物スパイ”の存在まで取り沙汰されているのだ。

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 今回の“灰色決着”には、自民党の平沢勝栄代議士も首を傾げざるを得ない。

「一連の転売劇の経緯は摩訶不思議としか言いようがありません。しかも、私が国会質疑で“中国の諜報機関員”と呼んだ人物まで関与していたとなれば、キナ臭さは増すばかりです」

 マルナカHD(以下、マルナカ)が競売で朝鮮総連本部ビルを落札したのは、昨年3月。それから早10カ月が過ぎた1月28日に事態は急展開を迎える。マルナカは、山形県酒田市の不動産・倉庫業者「グリーンフォーリスト」(同、グリーン社)に約44億円で本部ビルを売却したのである。

 この取引を仲介したのは、マルナカと同じ香川県で不動産業を営む山内俊夫元参院議員だった。これまで本誌の取材に対し、関与を否定し続けてきた山内氏に改めて尋ねると、

「今だから話しますが、香川県議時代からお世話になっているマルナカの中山芳彦会長に転売先探しを一任されていたのは事実。それで不動産業者仲間であるグリーン社の社長を紹介した。確かに総連の許宗萬議長とも面識はありますし、あちらの希望も聞いています」

 つまり、当初から総連の“意向”を踏まえて進められた転売だったワケだ。

■自民党の大物とも親交

 さらに、売却先の社長の人脈にも疑惑の目が向けられている。グリーン社の社長は中国関連の事業を手掛ける別会社も経営しているが、公安関係者によれば、

「その会社で共同代表を務めるのは、2012年の野田政権下で発覚した“機密漏洩事件”で名前が挙がった中国人男性です」

 その当時、中国への農産物の輸出促進事業に関する農水省の機密文書が流出。中国大使館で書記官を務めたこともある、この人物の関与が疑われたのである。

 国会で“事件”を追及した平沢氏によれば、

「彼が諜報機関の関係者なのは間違いありません。もし、今回の転売に関わっているとすれば、その闇はかなり深いですよ。中国は北朝鮮、ひいては総連を守る立場で動いていますし、転売問題も重大な関心事です。情報が筒抜けになるだけでなく、今回の転売自体が中国の意を受けて進められた可能性も否定できない」

 公安関係者が続ける。

「この人物は30年ほど前に大使館員として訪日し、中国人留学生の支援や、日本語講師を本国に派遣する仕事を担当していました。役人を辞めると、香港衛星テレビの東京代表といった肩書を持ち、自民党の大物とも親交を深めた。日本を訪れる軍幹部の視察団を世話することもありました」

 一方、グリーン社の昨年度の売上高は約2000万円。そんな零細企業に44億円もの買収費用を工面できるとは思えない。

 先の山内氏は「自分はただの仲介役。原資については全く聞いていない」と子供の使いみたいだが、公安関係者が続けるには、

「費用の一部が香港から振り込まれたとの情報もある。在日商工人や帰化同胞が中国にプールしていた金を、香港を介して支払ったとも囁かれています」

 灰色どころではない、ドス黒い“謀略”に日本はしてやられたのである。

「ワイド特集 苦楽のオセロゲーム」より

週刊新潮 2015年2月12日号掲載

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