フェミニズムに偏らない日本のヌード論/『ヌードと愛国』

社会

 いい年をして、『ヌードと愛国』というタイトルに「そそられ」て、書店で手にとった私が浅はかだった。明治から一九七〇年代まで、巷にいまだヌードが氾濫していない日本に降臨した、七つの神々しい肉体は、有り難いものではあるが、そそるものではない。冷静に考えれば、あたりまえの話だ。

 といって、私が本の選択を誤ったわけではない。ヌードにはそそられなかったが、本書で展開される考察と視野の広さには、正直、そそられたと告白する。

 七色の照明をあてられるヌードは多彩にして、意表を突く。

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