三浦春馬は「実直で真面目」 行定監督が語る他の役者との違い

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 本多孝好さんのベストセラー『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A/side-b』(新潮文庫)が、名匠・行定勲監督の手でついに映画化。12月27日の公開を記念して行定監督と本多さん二人のトークショーが12月4日(木)、東京・神楽坂「la kagu」内レクチャースペース「soko」にて開催された。

■『真夜中の五分前』は多面的な恋愛ミステリー

 映画版『真夜中の五分前』は上海を舞台とし、日本人の時計修理士と美しい双子の姉妹が織りなす恋愛ミステリー。時計修理士を演じるのは三浦春馬。姉妹を一人二役で演じるのは中華圏で絶大な人気を誇る劉詩詩(リウ・シーシー)。映画後半で浮かび上がる謎は、自分とは何か? 愛とは何なのか? を観客に突きつける。

 原作者の本多さんは「原作と映画のストーリーは違っているにもかかわらず、観終わったあとの気持ちが、自分が小説を書き終えたときとの気持ちと非常に似ていた」と映画を絶賛。行定監督は10年間ずっと『真夜中の五分前』のことを考えていたと語り、原作発表から10年をかけての映画化に感慨もひとしおのようだった。

 行定監督は昨今の日本映画界では誰もが展開を疑わない明快なラブストーリーが求められると語った。しかしこの映画では「原作の小説のような多面的なものを描きたかった。映画は観客のもので、結論は観客に委ねたい。見て何かを感じてほしい」と訴えた。

■三浦春馬は真面目すぎる?

 行定監督は撮影時の三浦春馬さんとのエピドードを明かし、「中国語がうますぎた。下手な日本人という感じにしたかったのが、彼がものすごく真面目で努力して上手くなっちゃった」と苦笑い。三浦さんをキャスティングした理由を「主人公を何者でもない人間」にしたかったと語り、「彼は芝居に負荷をかけない。面白くないくらい真面目。役者は芝居がかって面白くしてしまうが、彼は実直で直面したことを一生懸命考える。春馬のその感じがこの映画の雰囲気・リズムを作った」と称賛した。

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