広末涼子が泣いたワケ――鼎談 広末涼子×浅田次郎×中井貴一(2)

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 9月20日公開された映画『柘榴坂の仇討(ざくろざかのあだうち)』。原作者・浅田次郎さん、主演の中井貴一さん、その妻を演じた広末涼子さん。広末さんが試写会で号泣していたワケとは。

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広末:原作もそうですが、この映画は「行間」をとても大事にして作られていると思います。テレビだと何秒以上無音状態があってはいけないとか、暗すぎてはいけないという制約がありますが、言葉や表情だけでなく、たとえば、沈黙によっても心の動きを描写している。そういう意味で、とても賛沢な映画ですよね。

浅田:広末さんと一緒に試写を観たんですが、隣で感動して泣いてらっしゃるので、びっくりしました。

広末:『鉄道員(ぽっぽや)』の試写でも、私、高倉健さんの隣で大泣きしたんです。自分の出演シーンでは反省点も多くてさすがに泣きませんが、他のシーンでは「お客さん」になって感動してしまう。役者は泣かない、観た人を泣かせる、というのが浅田さんの作品です。『鉄道員』の時も、私が無邪気に振舞うことで涙を誘うシーンなので、もちろん私は泣けないですし、健さんもぐっと耐えている。ところが、スタッフさんはみんな声を殺して泣いている。ずるいですよね(笑)。今回も、現場でずっと泣くのを我慢していたので、試写で「お客さん」になって、思う存分泣きました。

デイリー新潮編集部

週刊新潮 2014年9月18日菊咲月増大号掲載

「特別読物 映画公開記念! 鼎談 広末涼子×浅田次郎×中井貴一「柘榴坂の仇討」に刻まれた日本人のDNA」より

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