虐待後遺症との長い格闘を追う/『誕生日を知らない女の子 虐待』

社会

 本書のテーマは被虐待児の〈その後〉。子どもへの虐待(親からのものが多い)が深刻なのは、たとえ虐待者から引き離し、好適な環境下ですみやかに治療と養育を開始したとしても、彼らの心には「親からも裏切られた」という深い傷が残り、以後の人格形成に著しい悪影響を及ぼすと考えられるからだ。虐待者からの救出は重要事ではあるが、事柄の前半、序章にすぎない。本当の核心は、フラッシュバックし彼らをおびやかし続ける虐待後遺症との長い格闘にある。本書で描かれるのも、そんな子どもたちの覚束ない足取りと、彼らを支える「ファミリーホーム」の養育者たちの姿だ。

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