電子レンジで水が爆発!? 家庭に潜む危険に科学者が警告!

ライフ 食・暮らし 2014年02月04日

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 今年の冬も寒いですね。北米では大寒波、日本でも最強寒波などという恐ろしげな言葉をニュースでは耳にします。

 朝は寒くて布団から出られないという人も多いのではないでしょうか。それでも仕事や学校には行かなくてはなりません。渋々布団から出て、部屋の暖房を入れてもまだ寒い。そんなときは体の内側からも温まりたいものです。温かい紅茶やコーヒーが飲みたくなりますね。飲むのは一杯だけだから、マグカップに水を入れて電子レンジでチン。レンジから取り出したマグカップに紅茶のティーバッグを入れると……カップの水が爆発する!

 水が爆発!? そんなのありえない! そう思うかもしれませんが、これは「突沸」という現象で、家庭で起こる危険な事故のひとつです。

■行政も注意喚起


 東京都生活文化局のサイトでも注意が呼びかけられています。

 電子レンジでの突沸に注意!

 都内で、電子レンジで豆乳を温め、取り出したときに、豆乳が噴き上がりやけどしたという重大事故が起きました。

 液体を温めると突然、爆発するように沸騰する、「突沸(とっぷつ)」という現象があります。
 液体の温度が沸点に達すると、沸騰します。
 しかし、電子レンジのように静かに加熱されるときには、沸点を超えても沸騰が起こらず、熱が溜まっていく過加熱状態になっていることがあります。
 この状態で、容器を揺する、調味料を入れる等のショックが加わると「突沸」が起こり、高温の液体が周囲に飛び散って大やけどを負うおそれがあります。

東京くらしWEB」より

 やかんや鍋でお湯を沸かす場合、熱は対流によって徐々に全体に伝わっていきます。対流とは温められた水が上に昇り、冷たい水が下に降りてくる流れのことです。やがて高温になると、ボコボコと泡ができて水は沸騰します。

■日常生活に潜むアクシデントを防ぐには

 この泡について、ピーター・J・ベントリー『家庭の科学』(新潮文庫)ではこう説明されています。

「沸騰の際には、鍋の表面の微小な傷などに付着した空気の泡が核となり(核形成)、この泡の中に周囲の水が気化していって大きくなり、ついには空気中に出ていく」

 ところが電子レンジで水を温めようとすると、泡ができず、高温になっても沸騰しない場合があります。

「電子レンジは液体の全体を加熱するため、対流は起こらない。液体に不純物が入っておらず、容器の壁にも傷がないときには、核となる泡ができないため、液体はその中に気化していくことができない。気化することができない液体は、そのまま容器の中で沸点を超えてどんどん熱くなっていく。これを『過熱』という」(『家庭の科学』より)

 過熱状態の水に、「ティーバッグなどの不純物を入れると、周囲にたちまち泡が形成されるが、それがあまりにも急激に起こるため、容器の中に残った液体が飛び散ってしまう」(『家庭の科学』より)。

 これが突沸です。防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。

○加熱しすぎないようにするため、設定時間を控えめにしてください。オート機能(「あたためボタン」など)による飲料や汁物の加熱は、なるべく行わないでください。
○加熱しすぎてしまった場合は、少し時間をあけてから取り出しましょう。

東京くらしWEB」より

 これに加えて、中身をかき混ぜながら時間をかけて加熱していくことも大切です。寒い冬、便利な電子レンジですが、科学的な知識をしっかり持って安全に使いたいものです。

デイリー新潮編集部