「真夏の日のテロル」の語られざる側面/『実録 相沢事件』

社会

 二・二六事件が「雪の日のテロル」だとするなら、それよりもちょうど半年前、昭和十年八月十二日に起きた相沢事件は「真夏の日のテロル」だ。陸軍のエリート、永田鉄山陸軍省軍務局長が相沢三郎中佐により執務中の局長室にて斬殺された事件である。局長室は正門からは遠くむしろ裏門に近く、相沢がタクシーで裏門に乗り付けた際には、咲き誇るサルスベリの古木が目に入ったに違いない。二つの事件以降、日本の歴史が急傾斜していったのは周知の通り。
 著者は以前、著書『禁断 二・二六事件』において、二・二六事件の語られざる側面、宮城を舞台に進んだ未遂の軍事行動のディテールを描いた。

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