現代史を証言する等身大の回想記/『アイウィットネス 時代を目撃したカメラマン』

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 アメリカの三大ネットワークのひとつ、ABCのカメラマンとして四十年、報道の第一線にいた著者の回想記は、ユーモラスでみずみずしく、少しせつない。
 ベトナム戦争取材については大宅賞受賞作の『キャパになれなかったカメラマン』にくわしい。サイゴン陥落のとき三十七歳。「『おまけ』という気持ちの方が強かった」、その後から二〇〇六年に退職するまでを回想した本書もまた、現代史の貴重な証言となっている。
 アメリカのテレビ局のカメラマンがカバーする範囲が広い。西ドイツ勤務のときは、ヨーロッパだけでなく中東やアフリカでも何かあれば現地入りしてカメラを回した。...

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