邦楽のYouTubeに英語コメントがズラリ 80年代のシティポップが大人気のワケ

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 竹内まりや、山下達郎や大瀧詠一などに代表される1980年代のシティポップが、いま、YouTubeで外国人から注目されている。たとえば85年にリリースされた竹内の『PLASTIC LOVE』は、2018年12月にアップされた動画(違法の可能性あり)でも、およそ1年で1600万回再生、コメント数は1万2千を超えている。その大半は外国語の絶賛コメントだ。むしろ日本語のコメントを探すほうが大変で、コメント欄には「日本人いる?」と日本人が戸惑う様子も。なぜ、YouTubeの邦楽にこれほど外国人から熱視線が送られているのか。

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 こうした現象は、シティポップに限らず、最近の邦楽の動画でも見られる。大ヒットした新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」の主題歌、RADWIMPS「前前前世」は、海外のアニメファンのものとみられる外国語コメントが日本語コメントより多い。米津玄師「Lemon」のMVのコメント欄も、調査したときには4割ほどは外国語だった。

 ITジャーナリストの神田敏晶氏は、「YouTubeのレコメンド機能(おすすめ表示機能)の影響です」と話す。

「広告収入が収益の柱であるYouTubeは、どうすればユーザーの視聴時間が長くなるのかを徹底的に研究しています。視聴した動画のジャンルや、アーティスト、チャンネル登録しているかといった関連性を分析しているのです」

 YouTubeはGoogleの傘下。長年培ってきた検索エンジンのノウハウやディープラーニング(人工知能がみずから学習する技術)を活かし、ユーザーの「知りたい」そして「聴きたい」の好みを、的確に把握できるようになっているという。

「一昔前までは、邦楽を海外の人が聴ける機会はほとんどありませんでした。が、いまやYouTubeに動画をアップすれば瞬時に“世界デビュー”できる時代です。しかも世界中に向けて、YouTubeが自動的にプロモーション活動まで行ってくれるわけです」

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