日教組、「委員長ラブホ不倫」情報元の犯人探しに奔走 組合費“私的流用”の実態も

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週刊新潮」が報じた日教組委員長のラブホ不倫と組合費での豪遊。どう説明責任を果たすかと思えば、委員長は雲隠れし、日教組は“犯人探し”に奔走している。

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 10月3日、日教組の岡本泰良(やすなが)委員長(56)は、東京一ツ橋の日教組本部前でタクシーを拾い、池袋に乗りつけた。ホルモン専門店でホステス兼歌手の小谷彩花さん(44)=仮名=と食事すると、2人で歩いて向かった先はラブホテル。そこで3時間半以上過ごしたあと、一緒にタクシーに乗り込み、岡本氏が先に降車すると、女性は料金を日教組のタクシーチケットで精算。同じ週の7日にも、その女性が勤めるガールズバーでどんちゃん騒ぎをし、やはりタクシーで帰宅して同じように精算していた。

委員長は雲隠れ

 むろん、岡本氏は既婚者で、妻子を出身地の大分県宇佐市に残して単身赴任中。彩花嬢も夫と2人の子持ちだから、“ダブル不倫”ということになる。そもそも岡本氏は、赤坂や銀座の高級クラブで、接待も含め、ひと晩に数十万円を使うこともザラで、今年2月、1000万円の使途不明金が問題になったこともあったという――。

■即刻、お辞めになるべき

 言うまでもないが、豪遊の元手は、センセイ方が虎の子の給料から差し出した組合費である。組合員は憤りを隠さない。たとえば、大阪府の養護学校教諭は、

「あの記事は私の周りはみな読んで憤っています。人間だから愛人ができることがあっても、委員長の立場でそれをやったらお終いです。やっぱり日教組は終わっている。最低限の緊張感すら失ってしまった。この際、消えてなくなったほうがいいんじゃないですか」

 と突き放す。また、神奈川県の中学校教諭も、

「周りの先生方も相当に腹を立て、“不愉快だ”“ふざけんな”という声が方々から聞こえてきます」

 と言って、こう続ける。

「毎月、8000円も組合費を払って、多くが日教組本部に吸い上げられているのに、“それが女遊びや遊興費に使われているなんてたまらない”という話です。それに岡本さんは、日教組教育新聞とかでは“常に子供に寄り添い”とか、清廉潔白であれみたいな正論を述べているくせに、自分がやっていることは破廉恥そのもの。即刻、お辞めになるべきだと思います」

■“取材を受けた人はいますか”

 岡本委員長に、記事への説明責任があることは論を俟たない。ところが本誌(「週刊新潮」)の発売後、姿をくらましたままだ。しかも日教組が必死なのは、情報を流した“犯人探し”で、動揺する現場の教師たちさえも置いてけぼりにされているのである。

「先週水曜日の午後、事務局に勤める全員に急に呼び出しがかかりましてね」

 と、日教組本部で働く職員のひとりが打ち明ける。

「6階会議室に30人ほどが集まると、前方のひな壇に清水秀行書記長や瀧本司書記次長らが怖い顔で並んでいて、清水さんから“明日発売の『週刊新潮』に、岡本委員長の愛人とお金の問題に関する記事が出る。みなさんも取材されたり、記者に張り込まれたりする可能性がある”という説明がありました。続いて瀧本さんが“僕にも電話がかかってきた。この中に取材を受けた人はいますか”と、全員を睨みつけながら、脅すように問いかけました。もちろん、私を含めてみな黙り込んでいました。続いて、顧問弁護士から“みなさんには取材に答える義務は何ひとつありません”という指示がありました」

 だが、岡本委員長の姿はない。別の職員が語る。

「清水書記長からは“このような状況なので、岡本委員長はしばらく事務局に顔を出しません”という説明がありました。“雲隠れしたんだ”と、みなヒソヒソと話していましたね」

日本教育会館

■組合費で遊び放題

 それにしても、疑惑の張本人はどこかに匿(かくま)ったまま、真相究明よりも犯人探しと口封じを優先する日教組とは、返す返すも最低の組織である。また、組合費による豪遊については、日教組はメディアに「事実無根だと断言します」と答えていたが、今回、清水書記長が本部職員たちに向かって、

「今後は外部の人と飲むとき、会費をとるように」

 と注意したという。すなわち、これまで組合費の私的流用が横行していたと認めたようなものだ。

 日教組の幹部クラスの関係者が言う。

「赤坂のTやJなど日教組の“御用達”の店を使ったときは、日本教職員組合宛ての請求書を送ってもらい、利用者が、だれとどういう目的で飲んだのか、請求書に裏書きして、関連部署に出します。政治家や役人と飲んだら、政治担当の書記から書記次長、書記長と経て決裁が下りる。それ以外の店のときは立て替え、領収証をもらって、同様に裏書きします。場合によっては“なに、これ?”と突き返されることもあります」

 要は、組合費で遊びほうけても、領収証を突き返されることは滅多にない、ということらしい。

「日教組が“(組合費の流用は)事実無根”とコメントしていて、びっくりしました。みな私的な飲み食いで領収証をもらって内部で通している。『週刊新潮』に、カラオケに興じる岡本委員長と野川孝三さんの写真が載りましたけど、あれ、ホントに自分たちで払ったのか、ということです」(同)

 ちなみに、「週刊新潮」が直撃した際、岡本氏はこのカラオケ三昧を、「教育総研です」と、うそぶいた。教育総研とは、元神奈川県教組委員長の小林正氏によれば、

「教育文化総合研究所の略称で、日教組のシンクタンクです。07年度には約1億1000万円がここに入っていました。有識者に話を聞いた体にして、飲食代を研究費に計上できたりするのです」

 野川氏は今、教育総研の事務局長である。さて、幹部クラスの関係者は、こんな話もする。

「よく監査委員から怒られたのは、裏書きのない領収証です。僕らは指摘されるたびに書いていましたが、それでも書かない人がいるのが不思議でした」

 どうやら、滅多なことがなければ、領収証さえもらえば組合費で遊び放題、ということのようだ。

■前委員長の証言

「お金の使い方、とくに飲食に関しては、委員長時代、厳しく指導していました」

 と、こう打ち明けるのは加藤良輔前委員長である。

「仲間うちで飲んでも、重要な打合せなら経費で落としていいけど、私的な集まりなら自腹がスジ。私の場合、赤坂のJで業務の接待をし、終了後、執行委員が合流したときはママに頼んで、前半の業務と後半の私的な飲みで請求書を分けてもらい、私的な分は自分で振り込みました。“自腹で払うんですか”と、ママがびっくりしていましたよ」

 いきおい、ほかの幹部は組合費を“私的流用”しているのがバレてしまった格好だが、加藤氏が続ける。

「日教組委員長の年収は1200万円くらい。ほかの産別労組とくらべると安いほうですが、業務と私的な飲食の境界は、金額や目的やお店、人数などから自分で判断すべきです。これは委員長時代、みんなに口を酸っぱくして言ってきたことで、退任時には岡本さんにも言いました」

 ちなみに、Jなるクラブは、赤坂芸者が集う黒塀の料亭「金龍」からほど近い雑居ビルにあり、扉を開けると4席のカウンターと奥にテーブル席が4つ。壁に沿ってソファが連なり、金や茶を基調としたシックな雰囲気。上品な着物を着たママとチーママが座っていた。通いつめれば、とても自腹では払えないだろう。

特集「歴代委員長から『もう辞めろ』の大合唱 ラブホで不倫『日教組委員長』放蕩三昧の検証」より

週刊新潮 2016年10月27日号掲載

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