坂本勇人は「来季が最後のシーズンか」田中将大は「Gから移籍したほうが…」 巨人“現役続行”ベテラン2名の現在地 柳田、大野、前田…「88年世代」躍動の影で迎えた“正念場”

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中田翔の前例

 一方の田中は、今季13試合登板で4勝4敗、防御率3.42。開幕から先発ローテーションに入ったが、6月11日の楽天戦(楽天モバイル)で2回6安打5失点KOを喫すると、2か月半以上のファーム調整に。8月末に1軍昇格して3試合に登板したが、巨人は先発陣が豊富だ。ドラフト1位左腕の竹丸和幸、井上温大、小笠原慎之介、山崎伊織、戸郷翔征、西舘勇陽のほか助っ人外国人投手たちも控えている。

「楽天を退団し、巨人に移籍した昨年から久保康生巡回投手コーチと投球フォームの修正に取り組み、今季は直球の球速が上がり、変化球も効果的に使えていた。百戦錬磨の投手なのでゲームメーク能力は高い。巨人は今オフにFAで広島の床田寛樹、森下暢仁両投手の獲得に乗り出すことがメディアで報じられていますし、登板機会を求めるなら他球団の方がチャンスはあると思います。先発のコマ不足に悩む球団は多いですしね。来季も巨人で残留する可能性が高いでしょうけど、移籍志願した中田翔のようなケースもありましたし去就が気になりますね」(巨人OB)

 中田は巨人に在籍していた23年オフに、当時の阿部慎之助監督が就任して一塁のレギュラーに岡本和真(ブルージェイズ)を起用することを明言したため、前年オフに結んだ3年契約に盛り込まれていたオプトアウト権を行使して契約を破棄。自由契約となり、中日に移籍している。田中の今年の推定年俸は1億円。今オフの契約更改で大幅ダウンは必至の状況だが、どのような決断を下すか。

「3度目の全盛期」

 投手で「3度目の全盛期」を迎えているのが、中日の大野だ。2013~15年に3年連続2桁勝利、2019~20年には最優秀防御率(2度)、最多奪三振、沢村賞などのタイトルを獲得したエース左腕も、その後は成績が低下していた。しかし、昨年は自己最多タイの11勝を挙げ、今季も22試合登板で10勝7敗、防御率2.45と最下位に低迷するチームの中で奮闘。4年ぶりに規定投球回をクリアした。他球団のスコアラーは「見事にモデルチェンジをしていますよね。直球が140キロ前半と若手の時と比べて球速が落ちましたが、カットボール、チェンジアップ、ツーシームを織り交ぜてバットの芯を外す術を知っている。投げミスがほとんどないので連打を出すのが難しい」と感心する。

 日本球界に復帰した楽天の前田は15試合登板で6勝4敗、防御率2.19だった。6月25日の西武戦(楽天モバイル)で移籍後初勝利を挙げると、9試合連続のクオリティースタート(先発が6回以上投げて自責点3以内)を達成するなど登板を重ねるたびに安定感が高まり、9月24日の日本ハム戦(エスコン)で12年ぶりの完封勝利、今月5日のソフトバンク戦(楽天モバイル)は6回10奪三振1失点で11年ぶりの2ケタ奪三振を記録した。

「メジャーで活躍できないシーズンが続いたので、日本球界で通用するか懐疑的な見方がありましたが、スライダー、スプリットを投球の軸に据えて長いイニングを投げられる。明るい性格でチームにすぐに溶け込んで若手にも好影響を与えていますし、成績以上にプラスアルファが大きい。古巣の広島がなぜ獲得のオファーを出さなかったのか不思議です」(楽天を取材するライター)

 前田は日米通算171勝を積み上げ、目標の200勝まで残り29勝。厳しい道のりだが、今年のパフォーマンスを見ると大きな可能性を抱かせる。黄金世代で名球会入りしたのは坂本、田中の2人。秋山は日米通算1883安打で、外野の定位置を奪取して試合に出続けなければ、道筋が厳しくなる。来季も若手に負けない活躍に期待したい。

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