【ニデック】ガバナンス不全の異常事態、なぜ岸田光哉前社長(66)は“退場”を迫られたのか

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 時価総額2兆5000億円を超すモーター大手・ニデック(本社・京都市)が上場廃止の危機に揺れている。1980年代にはHDD向けモーターで世界シェアトップに躍り出るなど、「成長神話」を体現してきたリーディングカンパニーに何が起きているのか。週刊新潮取材班がリポートする。

 一連の不正会計に伴う減損損失額が累計で1兆円を超える見通しだと、ニデックが発表したのは10月1日。会見には、その2日前に就任したばかりの戒田理夫新社長(70)ほか、監査法人PwCジャパンの久保田正崇代表執行役も同席する異例の事態となった。

 経済ジャーナリストの井上久男氏が言う。

「PwCジャパンはニデックが9月30日に関東財務局へ提出した2026年3月期の有価証券報告書(有報)に対し、監査意見を不表明としました。実は同社が監査法人として意見を表明しなかったのはこれで3回連続となります。1回目は前年(25年3月期)の有報、2回目が25年4~9月までの半期財務諸表に対するものでした」

 騒動の端緒は昨年、ニデックの海外子会社で不適切な会計処理が明らかになり、同年9月に独立した第三者委員会が立ち上げられたことだった。その後、利益の水増しや評価損の未計上といった不正会計だけでなく、検査データの改ざんなど計844件にのぼる品質不正行為も発覚。26年3月期連結決算では過去最大となる5646億円の赤字へと転落した。

「PwCジャパンが先の2回で意見表明しなかった理由は、不正を調べる第三者委員会の調査が終了していなかったためです。しかし今回は、(1)会計不正に関与した人物たちが今も財務報告に関わっている。(2)そんな彼らから入手した監査証拠は信頼できない、という理由でした。つまり監査法人として“ニデックの内部改革は進んでいない”と判断したに等しく、これまでより重い指摘を含んだ不表明となります」(同)

(1)と(2)に関しては、不正が海外拠点も含め広範囲にわたるのに加え、彼らを決算業務から外すと仕事が回らなくなるといった実務的な事情が大きいとされる。

前社長への視線

 とはいえ、ニデックがガバナンス不全に陥っているのは確か。そんな中、目下の混乱をもたらした一人に挙げられるのが、9月29日に事実上解任された岸田光哉前社長(66)だ。

「会計不正はEV(電気自動車)向け駆動装置などを製造する車載事業が中心となっており、不採算の同事業トップを務めていたのが岸田さん。さらに彼は、今年3月に設置された取締役らの法的責任の有無を調べる役員責任調査委員会の調査対象者でもある。“そんな岸田さんのもとで膿を出し切れるのか?”といった声は早い段階で社内からも上がっていたそうです」(ニデック関係者)

 実際、後継候補の人選については、すでに8月5日の指名委員会に諮られていたという。

 岸田氏はソニー出身で、社長就任は24年4月。その4カ月後のインタビューで、自らの使命を「ニデックの文化を受け継ぐこと」だと話した。

 同社の企業風土を築きあげたのは、今年2月に名誉会長を退くまで50年以上にわたり君臨した、創業者の永守重信氏(82)である。

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 新潮QUEで配信中の記事【【二デック】ガバナンス不全の異常事態、“最後のエース” 戒田理夫新社長(70)が挑む「上場廃止」回避シナリオ】では、第三者委員会が指摘した永守氏の築いた「業績至上主義」と不正の関係、そして社内外から期待の集まる新社長の素顔、さらに専門家が読み解く上場廃止に向けたタイムスケジュールなどについてより詳しく報じている。

デイリー新潮編集部

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