年収500万円・42歳女性を蝕む“ドパ中年”浪費「コンビニスイーツ、インスタで見た服を爆買い…」 対策は「物理で遮断」「欲望を株へ」【FPが助言】

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【FPの処方箋①】精神力で耐えようとせず、「物理」で遮断せよ

 では、こうした浪費傾向から抜け出すにはどうすればよいのか。岩切さんは「刺激を求める脳を、気合いや根性で制御することはできません」と一刀両断にする。

「精神力でどうにかできない問題は、物理で解決するしかありません。まずは何がトリガーになって衝動買いをしてしまうのか、それに月あたり、年あたりいくら浪費しているのか。自己分析して、そのトリガーとなる刺激から物理的に自分を遠ざけることが大事です」

 コンビニに寄ると買ってしまうのなら、帰り道のルートを物理的に変えて、コンビニの前を通らないようにする。そもそも刺激に接触しなければ、脳が快楽を求める化学反応が起こることもない。ネット関係の浪費を予防するなら、スマホ内の「アプリ消去」をすすめているという。

「深夜にデリバリーを頼んでしまう、オークションや通販で競い合って買ってしまう、ゲームでガチャをまわしてしまう相談者には、該当アプリを消すようアドバイスしています。一度アプリを消してしまえば、再び使おうとしたときに再ダウンロードやログインの手間が発生しますよね。その数十秒から数分の待ち時間こそが、暴走した脳を冷却し、我に返るための貴重な防壁になります」

【FPの処方箋②】刺激の出口を「消費」から「生産と長期投資」へ転換せよ

 脳が刺激や達成感を求めるエネルギーそのものを完全に消し去ることは難しい。問題は、そのエネルギーの出口が「安易な消費」に偏ってしまっている点にある。岩切さんは「手軽な消費で心を満たそうとするのではなく、快感を別の手段で求めるようにしてみるのもおすすめです」と話す。

「お金を使って一瞬の刺激を得るのではなく、文章を書く、音楽を作る、絵を描く、あるいは体を動かして汗を流すといった『生産的な活動』にエネルギーを向けてはどうでしょう。もちろん仕事に打ち込んで、脳の報酬系を満たすのも正しい選択です」

 それでもなお「お金を使いたい」という衝動がおさまらないのであれば、消えてなくなるお菓子やトレンド次第で陳腐化する服を買うのではなく、長期的な資産形成につながる金融商品へ矛先を変えることを岩切さんは勧める。

「毎月決まった金額を、新NISAなどを通じて投資信託や株式の購入に充てるんです。値動きを見守り、将来の資産を育てていくプロセスに興味を持つことができれば、散財の衝動を資産形成への健全な意欲へと昇華させることができますよ」

 なお、投資信託や株式は元本が保証された金融商品ではなく、市況によっては購入額を下回る可能性もある。「お金を増やしたい」という気持ちにとらわれて無計画に資金を投じるのではなく、無理のない範囲の金額で、長期・分散を意識しながら始めることが大切だ。

※プライバシー保護のため、記事で紹介する事例は、具体的な状況の一部を変更しています。

岩切健一郎(いわきり・けんいちろう)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。1986年生まれ。29歳で適応障害とADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を受ける。コンサルティング会社や外資系保険会社の営業職を経て、現在は保険代理店に在籍。合同会社ひなた代表として、発達障害当事者やその家族に特化したFPとして活動中。著書に『発達障害かもだけど、お金のことちゃんとしたい人の本』(ダイヤモンド社)がある。

取材・文/鷺島鈴香

デイリー新潮編集部

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