「老いの一徹。反省の色はない」…82年「ゲートボール殺人事件」 67歳はなぜ仲が良かった76歳を刺殺したのか
酒を飲んでいた2人が取っ組み合いに
その後、Aさんを殺したB(67)がプレーするが、試合を放棄したAさんは、家に帰るでもなくコートわきで観戦していた。
「Aさんがゲーム中に腹を立て、途中でやめてしまうのはしばしば。そのうえ、彼は焼酎の一升瓶を持ち込んで、試合中からBと2人でチビリチビリやっていた。また、はじまったな、ぐらいにしか思わなかった」
と当日のチームメートはいう。
試合は4時半ごろ終り、AさんとB、それにもう1人が残って、焼酎を飲みはじめた。その席でAさんは再び「ボールはくぐった」とグチった。それを聞いたBが、「監督だって何もいっとらんのに」とたしなめた。ところが、「何をこの若造が、オレにルールを教える気か」とAさん。
取っ組み合いになって、「数回殴られた」Bは、一升瓶でAさんの頭を一撃。さらに、割れたビンで顔面と首を刺した。頸動脈が切れ、出血多量でAさんは死亡。現場で呆然としていたBは殺人の現行犯で逮捕された。
「今後は教養を高める老人学級も」
殺されたAさんは老齢福祉年金と生活保護を受けて生活するご隠居。夏冬通して「雨の日以外はコートにいる」無類のゲートボール好き。そして、大の酒好き。練習中も酒瓶を離さない。
一方、犯人のBは元自営業で軍人恩給生活者。今年7月の大会には代表として出場した腕前。酒好きで少量の酒に酔い、酔えば荒れる。ゲーム中もチームメートに「ああせいこうせい」と口うるさい。
だが、この2人、ふだんは仲が良かった。それがなぜ――。
「老いの一徹。Bは、いまもオレのことをバカにしたと反省の色はない」と警察。そして、高齢者対策として、町有地をコートに提供するなどゲートボールを推進してきた町当局は、「老人医療費が減ったりメリットは大きいのだが、今後は教養を高める老人学級にも力を入れないと」とガックリ。
近い将来、高齢者人口は総人口の20%を超える。その前途を予言するような殺人事件だった。
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