霞が関に激震…「財務省エース」が“異例の左遷”と報じられた理由…高市首相との関係を決定づけた「奈良の因縁」

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 財務省の人事は、もともと高い関心が集まる。だが、事の真偽はともあれ、幹部の“左遷”という単語がメディアに氾濫する事態は、滅多にないと言っていいだろう。新聞各紙は8月1日の朝刊で、財務省の宇波弘貴氏が事務次官に就任する人事を伝えた。続けて、8日の朝刊で一松旬氏が東京税関長に異動した人事も掲載した。この2人の人事が注目されている理由は、共に高市早苗首相が推し進める消費税減税に反対しているとされ、実しやかに“粛清”の懸念が囁かれてきたからだ。

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 共に正真正銘のエリートながら、2人の学歴は意外なほど対照的だ。事務次官となった宇波氏は1964年に生まれ、東京都立西高校から東京大学理科二類に進んだ。本来であれば理学部や農学部、薬学部に進むコースだが、いわゆる“文転”を選んで経済学部を卒業し、なおかつ就職先に旧大蔵省を選んだ。

 一方の一松氏は、いかにも財務省キャリアらしい学歴だ。名門の開成高校から東京大学に進み、法学部を卒業している。担当記者が言う。

「本来であれば今夏の人事異動で主計局長だった宇波氏が事務次官に就任し、主計局次長だった一松氏が次の事務次官候補として更なる出世コースに乗るだろうと見られていました。ところが財務省は高市早苗首相の悲願である消費税減税を阻止しようとしており、その急先鋒が宇波氏と一松氏だと目されていたのです。そのため夏前に『高市首相が財務省人事に介入し、宇波氏の次官就任は不可。さらに一松氏は降格させられる』という情報が永田町や霞が関を駆け巡ったのです」

 蓋を開けてみると、宇波氏は次官に就任した。しかし一松氏は東京税関長に異動となった。毎日新聞は8月29日の朝刊に「東京税関:財務次官候補、異例の『転出』 消費減税巡り、首相が圧力? 東京税関長・一松氏が着任会見」との記事を掲載した。

高市首相と一松氏の“因縁”

 記事では一松氏について《このポストから最終的に財務次官に昇格した例もあるが、通常の出世ルートとしては認識されておらず、政府内では「左遷」と見る向きが多い》と伝えた。

「省内では『宇波さんについては情もあって、とりあえずは次官に就任させる。ただし一松さんは降格こそしないが、東京税関長にする。これで“いつでもお前たちを降格させられるぞ”と官邸サイドが威嚇した』という人事だと受け止められています」

 財務省関係者はそう打ち明ける。

「片山さつき財務相が高市首相に働きかけ、本物の懲罰人事は回避されたという話です。なぜ一松さんがそこまで官邸の怒りを買っていたのか、もちろん財務省では誰もが消費税に反対していますが、一松さんはそれがかなりおおっぴらだった。例えば財務省は国会で『一般論として消費税を下げれば物価は下がる』と答弁しているんです。ところが一松さんは『消費税減税で物価は下がらない』と公言し、新聞記者の前でもオフレコとはいえ啖呵を切るような口調で自説を展開していました」(同・関係者)

 そもそも高市政権が誕生する前、2018年頃に首相と一松氏の間で“因縁”が持ち上がったという。

官僚の典型例

「当時の一松さんは奈良県の副知事だったのです。その際、診療報酬の引き下げが可能な仕組みを作ろうと、財務省と連携して動いたことがありました。当然ながら県医師会は猛反発します。その際、選挙区が奈良2区の高市さんは医師会の怒りを収めるため、相当に苦労したと聞いています。つまり高市さんと一松さんには、当時から “因縁”があるわけです」

 宇波氏と一松氏は共に岸田政権で秘書官を務め、財務省の出世コースを歩んできたことから“師弟関係”に近い間柄だと言われている。

「ただ、どうなんでしょうか、宇波さんは官僚の典型みたいな人です。そもそも政治家に楯突いたという話など聞いたことがありませんし、口が堅く、それこそマスコミには絶対自分の考えを明かしません。“弟子”の一松さんが飛ばされたからと言って、情を見せるようなタイプではないという印象を持っています」

 一松氏は東京税関長の就任会見で、記者から消費税減税には反対していたのか、と問われると次のように答えた。

「政府の方針のもと、政策について必要な検討や関係方面との調整をすることが、私の職務だったと考えている」

 この回答を毎日新聞は「一般論を述べるにとどめた」と評している。

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「新潮QUE」に掲載されている【宇波弘貴・財務事務次官を輩出した「都立西高」出身「財務官僚」12人の知られざる出世事情】では、都立屈指の名門進学校OBがいかに財務省内で“出世”を果たしてきたか、その実態を詳報している。

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