「トレカ議連」設立で本当に“転売”問題は解決する? レアカード、ランダム商法が“転売屋を生み出す”トレーディングカード業界の構造的な課題とは

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希少価値をメーカーが作り出す

 トレカファンが喉から手が出るほど欲しいのが、レアカードである。その名の通り、滅多に手に入らないレアなカードなのだが、このレアカードこそがトレカに大金をつぎ込むマニアを発生させ、転売屋を生み出す根源になっている。

 レアカードは、「開運!なんでも鑑定団」に登場するブリキ玩具などのヴィンテージグッズのように、相当長い期間が経ってから希少価値が生じるものとは決定的に性格の異なる商品だ。ヴィンテージグッズは、発売からしばらく経ってから自然発生的に人気が出て、欲しい人がたくさん手を挙げることでプレミアがついていくパターンが多い。

 ところが、トレカは違う。メーカーはレアカードの印刷数を極端に少なくし、なおかつ他のカードよりも豪華な作りにして、珍しさを“演出”している。つまり、“メーカーが最初から意図的に希少価値を発生させている”のだ。

 しかも、メーカーは中身がわからないようにしたパックに、ランダムにカードを封入している。これをランダム商法と呼ぶが、ファンはほしいカードを手に入れるか、もしくは全種類をコンプリートするまでパックを延々と買い続けなければいけない。売り手にとってメリットの大きい商売であり、最近ではこの仕組み自体が批判の対象になっている。

 人によっては「なぜほしいものを手に入れるために、いらないものまで買わなければいけないのか」と、ランダム商法をバカバカしいと考える。なかには、「お金は多く出すから、ほしいものだけ買わせてほしい」という需要も生じる。それに応える形で存在するのが、転売屋というわけだ。

メーカーは転売屋をなくす気などない

 本気でメーカー側が転売をなくしたいと考えるのであれば、最初からランダム商法をやめればいいのである。そして、すべてのカードを同じ枚数印刷し、レアカードのような希少価値をなくし、1枚ごとに単品販売すればいい。

 これなら転売屋は発生しないし、レアカードが出るまで延々と金を注ぎ込む依存症のような人もいなくなる。価値が均等だから、投機目的で購入する人も生まれない。無駄なカードを買わなくていいので、地球にも優しいだろう。ネットで批判されている問題はすべて解決できる。

 しかし、メーカーはどんなに批判があっても、トレカの販売方法を改めようとはしないのだ。そのくらい、ランダム商法とレアカード商法は“おいしい”し、“やめられない”のである。

 トレカの人気が出るためには、カードが二次流通市場で高騰するなどの外的要因が不可欠である。転売屋が高額で売り出せば、希少価値が一般層にも浸透していく。それによって、ライトな層もカードを買うようになって、メーカーには莫大な利益が転がり込む。繰り返すが、メーカーと転売屋は共存共栄の関係にあるのだ。

日本のコンテンツビジネスは情けない

 このように、トレカ自体がこうした問題を含んだ商品だ。それを振興させるための議連は本当に必要なのだろうか。

 それにしても、問題を放置し続ける日本のコンテンツビジネスはいかがなものか。トレカもそうだが、アクリルスタンドや缶バッヂのようなオタクグッズも、原価に比してとんでもない価格をつけて販売し、ランダム商法でファン心理を煽って儲けるビジネスになっている。

 このような販売方法は、一時期社会問題になった宗教団体の霊感商法とそれほど変わらないのではないか。そもそも、コンテンツビジネスを輸出産業の中心に据えなければいけないというのは、日本がそれだけモノづくりの分野で競争力をなくしていることの表れではないか、と思えてしまう。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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