「いつまでもわがまま言うんじゃない」…伊東ゆかりの名曲「小指の想い出」大ヒットを生んだマネジャーの叱咤

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誓約書を書いてもらう中尾

 一方の中尾は現在、ドラマなどで元気な老婆役を一手に引き受けている。バラエティー番組では思いのままにコメントして、時にネットやSNSでも話題になる。

 でも、ズバズバものを言い、煙たがられるのもヘッチャラ。肝が据わった女性として貴重な存在になっている。

 毎朝欠かさないのは仰向けになって両手両足を上にあげ、ブラブラ揺らすゴキブリ運動、よく知られているのは、ご近所さんと一緒に毎日行う公園でのトレーニング。ダンスはジャズ&タップダンスにクラシックバレエ、スポーツは水泳、趣味は俳句、水彩画、習字と年を重ねてますますご活躍である。

 仕事にも貪欲。73歳だった19年には、グラビアにも挑戦した。この時はブロードウェイミュージカル「ピピン」のために体を鍛えていた。体を作るのに1年半かけ、グラビアはその流れだった。

 知られざる趣味は、意気投合した人に「誓約書」を書いてもらうこと。見知らぬ相手、初対面の相手にその場で「じゃあ、何年後かに(10年後とか)また会いましょう」と書いて約束を交わすのだという。

 当時、相手は5人。そのうちの一人はあるパーティーで顔を合わせた北の富士親方。中尾から声をかけて食事し、親方に「65歳の時にささやかながら盛大なパーティーを開いてもらう」と書いてもらった。

 北の富士親方とは連絡先も教え合わず、それでも誓約書だけは持ち歩き、ボロボロになっていた。ところが、65歳の時、舞台の巡業で北海道・旭川に行った時のこと。旭川は親方の故郷で、弟がちゃんこの店をやっていた。そのことを友人が教えてくれたので店に電話したという。

 すると、親方はゴルフのコンペで旭川に来ていた。中尾は「約束は覚えていますよね」と言うと、親方は「もちろん」と答えた。そしてその夜は中尾のスタッフ30人、コンペのメンバー20人、合計50人の大宴会になった。

常に行動する

 その行動力や恐るべし。誓約書を交わした相手で会えたのは親方のみ。中には六本木のアマンドで待ち合わせした人もいたが、会えず終い。

 それでも、もし会った時にヨボヨボになっているわけにはいかないし、逢う日まで元気でいるという目標があれば元気でいる――それが中尾の考え方だ。

 どこまでも前向き。中尾が大切にしている言葉が、著書著書『76歳。今日も良日』(アスコム)に記されている。森繁久彌から言われた「納得することをしろ、読め、歌え、聞け、起きている間に それが君の時間だ」というもの。

 中尾は「君の時間だ」が気に入っている。それが中尾流ポジティブの原点。常に行動することでしか物事は進まない。森繁はそれを教えてくれたのだろう。

峯田淳/コラムニスト

デイリー新潮編集部

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