即戦力だけがドラフトの答えではない ファームで光るセ・リーグの“未来の主力候補”

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開幕から4番に抜擢

 野手でさらに注目したい存在が、藤井健翔(浦和学院→巨人6位)だ。

 高校時代はパワーを評価されていた一方、確実性には課題があり、2年秋までは目立った成績を残していなかった。3年春の埼玉大会では準決勝と決勝で計3本塁打を放ってブレイク。関東大会では、今年のドラフト1位候補である横浜高の織田翔希から二塁打を放って話題となった。

 魅力はなんといっても、体格を生かしたパワフルな打撃である。

「体格はとても高卒1年目とは思えません。フリー打撃でも捉えた時の打球は、すでに一軍の主力と遜色ないレベルにあります。飛ばす力だけであれば、岡本和真(現・ブルージェイズ)の1年目より上かもしれませんね。変化球にはまだまだ対応できていませんが、速いボールに対してはある程度コンタクトできる。二軍の首脳陣も、とにかく大きく育てようとしています」(巨人の球団関係者)

 言葉通り、二軍では開幕から4番に抜擢された。ここまで30試合に出場して打率.202、40三振と苦しんでいる。一方で、3月19日の中日戦では豪快な“プロ1号”を放っており、19安打中7本が長打と、持ち味は見せている。

 岡本もプロ入り当初は二軍でなかなか結果を残せなかった。4年目に一軍へ定着すると、いきなり33本塁打を放っている。藤井が同じような成長曲線を描くことができれば、巨人の未来は一気に明るくなるはずだ。

 今回取り上げた選手はいずれも高卒だが、大学卒の投手では神宮僚介(東農大北海道オホーツク→阪神育成1位)が二軍で登板機会を得ており、野手では新保茉良(東北福祉大→中日5位)がショートでたびたび軽快なプレーを見せている。

 一軍での結果がすべてではないルーキーイヤーだからこそ、ファームで見せる変化や成長には大きな意味がある。数年後、今回名前を挙げた選手たちが各球団の主力に成長していても不思議ではない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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