生成AIが“声”模倣 仕事を奪われるのは「人気声優」だけではない

エンタメ

  • ブックマーク

下積み中の若手も

 不利益を被るのは下積み中の若手も同じという。声優業界関係者が指摘する。

「アニメやゲームの世界では、ストーリー進行に関係しない通行人や野次馬、群衆などをモブキャラと呼びます。それらを担当するのは、ほとんどが若手。取り立てて個性を発揮する必要がないので、今後は生成AIに取って代わられる可能性が非常に高いとみられています。制作側にとっても、生成AIの方が手軽で安上がりですからね」

 現在、声優を目指す若者はおよそ30万人とされる。

「プロデビューできるのはその数%程度。さらに専業としてやっていけるのは、300人前後というかなりの狭き門です」(同)

 毎年発行される「声優名鑑」の26年版には、女性が1135人、男性は702人の計1837人が掲載されている。

「最初に発行された01年版には、女性が225人、男性は145人、合わせて370人しかいなかった。四半世紀で5倍近くになった計算で、声優を育成する専門学校や養成所も、いまでは全国に50~60カ所まで増えています」(同)

 生成AIが奪うのはプロの仕事だけでなく、声優の卵たちの夢までも、である。

週刊新潮 2026年6月18日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。