米独立記念日に「過去最大のトランプ集会」…やりたい放題に米国民の我慢は限界 「イラン合意」を急いでも支持率低下は止まらない
岩盤支持層も戦争に否定的
トランプ氏の岩盤支持層はイランとの戦争についても否定的だ。
同じロイター/イプソスの世論調査で、トランプ氏の政治基盤の中核を成すキリスト教福音派の54%が、イランへの軍事介入は自らのキリスト教理解と合致しないと回答した。福音派のトランプ氏支持率は52%と、昨年8月の61%から低下したものの、全米成人の支持率36%(12~15日実施の調査)を大きく上回っている。しかし福音派はトランプ氏の物価対策にも低い評価を下した。
こうした状況下で、トランプ氏は手痛い失言をしてしまった。物価統計が公表された10日、前述のCPIの数字を“最高”と称賛したうえで「私はインフレが大好きだ」と発言し、イランとの戦闘終結で物価は下落するとした。これに対して野党・民主党は、米国の家庭が直面している経済的な苦境を軽視したと一斉に批判している。
11月の中間選挙を控え、与党・共和党関係者は苦虫をかみ潰したような思いだろう。トランプ氏は劣勢を挽回しようと賭けに出た感があるが、イランとの交渉が順調に進むかどうかは不透明な情勢だ。
トランプ感受性低下症候群
イランとの戦闘終結の合意が明らかになった14日はトランプ氏の80歳の誕生日だった。ホワイトハウスの南庭では当日、建国250年を祝うイベントの一環として、総合格闘技団体UFCの試合が開催された。当然のことながら、前代未聞の誕生日パーティーだとの批判の声が上がった。
懲りないトランプ氏は15日、7月4日の独立記念日に首都ワシントンのナショナル・モールで行われる建国250周年の祝賀行事で、「過去最大のトランプ集会」を開催すると発表した。
トランプ氏のやりたい放題は、米国では日常茶飯事となった。
昨年の誕生日は陸軍創設250年と重なったため、トランプ氏はワシントン市内で軍事パレードを実施した。権力の乱用や軍の政治利用だとして「王はいらない(NO KING)」をスローガンに掲げた大規模デモが全米各地で起きた。だが、今年は目立った動きはなかった。
トランプ氏の傍若無人ぶりに国民が目をつぶっている状況を、米ニュース専門局CNNは「トランプ感受性低下症候群」と評している。この病気のおかげでトランプ氏はわがまま三昧を続けられたが、国民の忍耐力は限界に近づいているのかもしれない。
謎の数字「8647」
連邦公園警察は11日、前述のナショナル・モールの芝生に、トランプ氏への反対運動に関連付けられている「8647」という巨大な数字の跡がつけられていた件について捜査を開始した。「86」は殺害、「47」は47代の大統領を指しているといわれ、司法省によればトランプ氏に対する脅迫にあたる数字だという。
トランプ氏の政敵とされていた米連邦捜査局(FBI)のコミー元長官が、「8647」の数字に見えるよう貝殻を並べた写真をInstagramに投稿したため、トランプ氏への脅迫容疑で4月に起訴されたことは記憶に新しい。
芝生に残された「8647」はトランプ氏暗殺の予告ではないとの見解が有力だが、複数の世論調査で、政治的暴力を肯定する回答が3割に達していることが気がかりだ。
党派対立が激化する超大国の今後の動向を、引き続き高い関心を持って注視すべきだ。





