“国宝なのに屋根がトタン葺き”奈良時代創建「室生寺」のクラウドファンディングが話題…数多の「国宝」「重要文化財」を擁する名刹を悩ませる“保護・修復”という難題
人々の思いがあって文化財は守られる
――先ほどのお話にもありましたが、室生寺は常に過酷な自然環境に晒されています。これも、文化財を維持するのが大変な要因の一つといえそうです。
山岡:1998(平成10)年に台風7号が近畿地方を襲った際には、強風で倒れた杉の木が、五重塔を直撃したことがありました。それ以来、当寺では自然のことは常に意識しています。境内には杉やヒノキが多いのですが、管理が行き届かない部分は正直、あります。樹木は、内部が枯れていても表からは異変に気付きにくいのです。
このように室生寺はもとから自然の中にあるわけですが、加えて、昨今は異常気象が目立ちますよね。ゲリラ豪雨は日本中どこでも起こっている。古建築を維持する大変さは室生寺に限ったことではなく、どこの寺院や神社でも同じだと思っています。
――やはり、拝観料だけでは維持が難しいのでしょうか。
山岡:拝観料だけでは難しい状況ですね。国宝や重要文化財に指定されていれば、国や県や市の補助がいただけるのですが、当寺には未指定の宝物もたくさんあります。こうした補助の対象外である文化財の修復や、境内全体の維持管理も行わないといけません。そういった費用は、もちろん当寺が全額出しています。
――今回、読者に向かって呼びかけたいことなどがあれば、お願いします。
山岡:本当にありがたいことに、クラウドファンディングを通じて応援のコメントをたくさんいただきました。正直、開始前はご寄付が集まるのかなという不安はありましたが、想像以上に関心を持っていただけて、感謝しています。
当寺が創建以来、1200年以上続いてきたのは、それぞれの時代に多くの方が守ってきたからだと思います。我々は室生寺を私たちの代で途絶えさせたくありませんし、今回のクラウドファンディングでご寄付を募ることで、少しでも多くの方に文化財保護への関心を持っていただくきっかけになればと思っています。







