「森下翔太」暴言退場で選手から高まる「ABS導入論」 「高速変化球の進化で、人間の目では既に“限界”が…」 今春導入MLBでの評判は?

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恩恵を受けた山本由伸

 ABSチャレンジの導入で、恩恵を受けるのは制球力の良い投手だ。多彩な変化球を高度な制度で操るドジャースのエース・山本由伸はまさに代表格と言える。先発登板した5月31日のフィリーズ戦では、4回までにABSチャレンジが両軍合わせて6回連続で成功したが、この判定が試合の流れを大きく左右した。山本は初回に先頭打者のカイル・シュワーバーにカウント2―2から内角低めに投げ込むと、主審はボールと判定したが、ABSチャレンジでストライクに覆り三振に。3番のブライス・ハーパーとの対戦でも、フルカウントから外角低めのカットボールがボール判定から再びストライクに覆って三振となった。

「山本はフィリーズ戦で6回途中10奪三振無失点の快投で5勝目を挙げましたが、立ち上がりの失点が多いのが課題でした。初回のあの2球がボール判定のままで四球により走者をためていたら試合展開がガラッと変わっていたかもしれない。選手のパフォーマンスが正当に評価される観点からすると、心強いシステムと言えます」(メジャーを取材するスポーツ紙記者)

審判の技術も高まる

 実際に日本球界でプレーする選手はABSチャレンジ制度について、どう感じているだろうか。セリーグ球団でプレーする投手は、

「1日も早く導入して欲しいですね。ストライクゾーンに決まったと思った球をボールと判定されると、気持ちの切り替えが難しいしその後の投球に影響する」

 と訴える。パリーグ球団の打撃コーチも言う。

「ボールと判定されていたコースの球が、その後の試合展開でストライクとコールされるなど、球審のストライクゾーンが一定でないと感じる時が珍しくありません。審判の技術を高める意味でもABSの導入に賛成です」

審判の負荷も減らす

 審判の負荷を減らすという意味でも、大きな手助けになる。かつて審判員をしていたプロ野球OBは指摘する。

「球速が150キロを超えると瞬時にストライク、ボールを判定する難易度が一気に上がります。科学的トレーニングの発達で投手の球速、変化球のキレが急速に進化している。カットボール、ツーシームなど手元で曲がる高速の変化球について、人間の目だけでストライク、ボールの判断をするのはもう限界を迎えているように感じます。SNS上で『球審の判定が試合を台無しにした』、『誤審が多すぎるので辞めてほしい』などの書き込みを見ると胸が痛みますし、ABSの導入に反対する審判は少ないんじゃないですかね」

 NPBではピッチコム(サイン伝達の電子機器)が来季から導入される方針で、投球間に時間制限が設けられる「ピッチクロック」の導入も検討されている。ABSチャレンジ制度の導入についても、今後に機運が高まる可能性が十分にある。

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デイリー新潮編集部

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