「通院でもいい高齢患者を入院させ…」 世界一の医療資源を持つ日本で「医療崩壊」が起きている理由 「医師にMRIのノルマを課す病院も」
「通院でもいい高齢患者を入院させ……」
アメリカの5倍の病床があるからといって、病気がアメリカの5倍多いわけではない。それでは、病床を埋めるために何をしているのか。若くて元気な30代や40代の人を病人に仕立て上げて入院させることはできない。そこで、
「対象となるのが高齢者です。例えば、通院でもいい骨粗鬆症の高齢患者に“2~3日入院してきちんと検査しましょう”と言ったり、風邪をこじらせて肺炎を発症したものの、家で安静にして寝ていれば治るであろう患者さんを“念のため”と言って入院させる。こうしたことを繰り返して、アメリカの5倍の病床を埋めているのです」(森田氏)
高齢者の持病の多くは、即座に命に関わるものではない。
「高血圧や脂質異常症、糖尿病、認知症。例えば高血圧の患者さんの血圧の数値を下げれば、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクは10%程度下がるかもしれませんが、残りの90%は変わらない。つまり全体で見れば死亡リスクはほとんど下がらない。要するに寿命には関係がない疾患です」(同)
関連記事【世界一「過剰な医療」が日本人を不幸にする“矛盾”のメカニズム】では、医療設備が世界トップクラスに整っていることが日本人を不幸にする、というパラドックスについてより詳しく報じる。
[2/2ページ]

