優勝候補・日本ハムに何が起きているのか 「新庄体制」5年目に見えた“誤算”と現場のズレ

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新庄監督との方針のズレも原因?

 その言葉通り、チームの三振数はパ・リーグ最多となっている。ホームランか三振かという豪快な野球は見ていて楽しいかもしれない。とはいえ、それだけで勝てるほど野球は簡単ではない。

 チームの問題点は他にもあるようだ。現場を預かる新庄剛志監督とフロントとの間にある“ズレ”である。前出の球団関係者はこう続ける。

「フロントとしては、ここ数年積極的にお金を使って補強し、戦力を整えてきました。新庄監督も当初の2年間は、いろいろと試しながら選手を引き上げてきています。新庄監督は破天荒なイメージとは逆に、野球に関しては細かいプレーを重視する傾向が強い。監督に就任して最初の秋季キャンプでも、走塁や守備について細かく指導していました。ツーランスクイズやダブルスチールといった作戦も、新庄監督になってから目立っています。一方、今の主力には細かい野球に長けた選手が多いわけではありません。選手自身も、チームプレーや細かい野球より、個人の技術を伸ばすことを重視しているように見える。そのあたりのズレが、チームが波に乗り切れない要因の一つではないでしょうか」

 新庄監督は5月27日の阪神戦後、上川畑大悟の守備と走塁のミスについて指摘した。上川畑は翌日に登録抹消となっている。オーダーについても、同じ打順で固定されている選手は少なく、完全に日替わり打線に近い。新庄監督の目指す野球にマッチする形を探し続けている証拠と言えるだろう。

 開幕前は優勝候補と見られながら、投手陣は安定せず、打線は長打力の一方で粗さが目立つ。フロント主導で整えてきた戦力と、新庄監督が求める細かい野球との間にズレがあるとすれば、簡単に解決できる問題ではない。

 就任5年目の新庄監督にとって、今年は結果が問われるシーズンである。得意としてきたセ・パ交流戦をきっかけに巻き返せるのか。編成と現場のズレが響き続けるのか。日本ハムの現在地は、これからの数週間ではっきり見えてきそうだ。

※成績は2026年5月28日終了時点

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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