職場での“男の短パン”に「自宅じゃないんだから!」の猛批判…実際に嫌がられているのは“本人に伝えづらい見た目の問題”ではないか

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不躾ながら上着を脱がせていただきます

 振り返って今回の炎上の件は「都の職員」ということも影響したのではないだろうか。本来公務員は「公僕」と言われ、市民に仕える者である。来庁する都民(お客様)がいるのに公僕がそんな態度でいいのか! という反発が存在する。また、「私はキチンとスーツを着て真剣な会議に出ようとしているのに、なんであなたは短パンで夏休みみたいな格好をしているのだ。真面目にやる気があるのか!」なんてことを思う人もいるだろう。

 そうしたことから基本的に仕事の場で短パンというのはまだ日本では完全に市民権を得たとは言えない。だが、2005年のクールビズ開始以来、夏場にネクタイをつけないのは当たり前になったし、ジャケットを着ないことも許されている。あまつさえ、冬場ですらノーネクタイの人の方が多数派である。それは私が仕事をしている相手の県庁職員ですらそうだ。

 時々自分より年上の男性が会議の場や講演の講師をしている時に「暑いので、不躾ながら上着を脱がせていただきます」と一言断りを入れていたのは一体なんだったのだろう。やはり「人様の前ではキチンとジャケットを着なくてはいけない」という価値観を年上世代は持っていたのである。だが、さすがに今は「暑いのでそんなこと言う必要ありませんよ!」という空気にはなっている。

体毛への違和感もある

 そして、「上着を脱ぐ」「ネクタイを外す」どころではない短パンだが、これはやはり「仕事っぽくない」ということに加え、すね毛の問題もあるのではなかろうか。特に肌の色が白く、毛の濃い人は短パンをはくとその剛毛すね毛が気になって仕方がない。これについては本人の体質だから仕方ない面もあるが、たとえば半袖シャツを着ていてその人の腕の毛と手の甲、指の毛が剛毛だったら会議に集中できなくなってしまう。

 体毛というものは不思議なもので、他人がつい気になってしまうのである。その最たるものが鼻毛だ。真面目な会議なのに、熱弁をふるっている人の鼻から毛が何本かちょろっと出ていることがある。すると途端にその人が間抜けに見えてしまうのである。しかし、それを本人に伝えるのも躊躇してしまう。「まっ、この会議が終わればこの人とは別れるし」となるのだが、会議参加者はその後「〇〇さんの鼻毛が気になって集中できなかった」「だよね~」なんて会話になりがちである。だからこそ実際、鼻毛が出ていることを相手に匿名で伝えることができる「鼻毛通知代理サービス チョロリ」というウェブサービスがあったりもするのである。

 あとは、足の太さ・細さが明確に顕れてしまうところにも抵抗感があるかもしれない。ヒョロヒョロの脚だろうが、とんでもなく見事な筋肉のふくらはぎや腿を見せつけられると、普段見なかった部位をこれでもか! とばかりにアピールされ、その人のプライバシーを無理矢理知らされた気がして不快になる。

 というわけで、オッサンの短パンと仕事と世間の空気について書いてきたが、25年来のベテラン短パン勤務男としては、「そこまで嫌がらないでくれ」というのが正直な気持ちである。ただ、すね毛については嫌悪感がある人もいるので、いっそのこと脱毛を検討してもいいかもしれない。私自身、かつてはすね毛ボーボーだったが、今は自然になくなってしまった。肌はツルッツルである。すね毛がなくなった理由はまったく分からない。

 また、これは極めて個人的な感想ではあるが、短パンを着ている男性がポロシャツやTシャツを「シャツイン」し、靴下がくるぶしの上5cmほどまで到達していると、ダサい。この格好は、いくら短パンオッサンである自分であっても、絶対にやらないようにしている。シャツは外! サンダルをはくか、靴下は靴の中にすべて収まる短いものをはくべきである。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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