「国力研究会」発足で透けて見える「麻生副総裁のもくろみ」 発起人から外れた大物2名の共通点とは?
グループ結成の経緯
自民党の全所属議員に配布された案内文には〈本議員連盟は、有志による政策研究を通じて政府と連携しながら力強く支援し、新たなビジョンを推進する〉との設立趣旨が高らかにうたわれている。
多数の自民党議員にとって寝耳に水だった“高市支持グループ”の結成経緯について、ある参加議員が明かす。
「今年1月ごろから、『「日本のチカラ」研究会』の世話人も務めていた山田宏参院議員が会の設立に動いていたと聞いています」
山田氏は総裁選で高市選対の中軸を担った、首相の側近議員の一人としても知られる。その山田氏が高市首相本人や木原稔官房長官らと水面下で折衝を重ねてきたというのである。
「首相は勉強会をつくりたいと持ちかけた山田氏に“自分は勉強会には参加しないけど、資料は届けて”と要望したそうです。また木原氏も“安倍晋三元首相には創生『日本』のような保守系の議員連盟があった。高市首相にも同様の勉強会が必要だ”と理解を示したと聞いています」(同)
前出の政治部デスクが補足する。
「最終的に国力研究会が結成される流れを決定付けたのは、党内で事実上の派閥の立ち上げが相次いだからです。4月には武田良太元総務相が20人超の政策グループ『総合安全保障研究会』を設立。また同月、石井氏が参院で40人超の『自民党参議院クラブ』を結成しました。高市首相側にとってこうした動きに対抗するための足場を整えることが急務になったのです」
「“踏み絵”が皮肉にも機能せず」
注目を集めているのが、11名の発起人の顔ぶれだ。
「麻生氏や茂木敏充外相、萩生田光一幹事長代行ら党内の“主流派”に加えて、小林鷹之政調会長や、総裁選の決選投票で戦った小泉進次郎防衛相も名を連ねました。その一方で、林芳正総務相や旧二階派を引き継いだ武田氏は外されたのです」(前出のデスク)
この両名には共通点があるという。
「林氏、武田氏共にかねて麻生氏との折り合いが悪いことで知られます。国力研究会を事実上、差配しているのは麻生氏です。山田氏はかつて安倍派に身を置いていましたが、今年から麻生派に属している。山田氏は国力研究会の設立について逐一、麻生氏に報告・相談していたそうです。発起人の選別には当然、麻生氏の意向が働いたとみられます」(同)
国力研究会の設立を通じて小泉氏や小林氏を取り込みながら“主流派”を形成。同時に、自身の政敵である林氏や武田氏を非主流派に追いやる――。そんな、麻生氏のもくろみも透けて見えるのである。
「山田氏らの主眼が党内の保守系議員を中心とした“高市支持グループ”の結成にあったことは間違いありません。ところが、麻生氏が山田氏に対して“広く参加者は募るべきだろう”と条件を出した結果、思わぬ展開に。林氏のほか、武田氏も自身が率いるグループごとの参加を決めてしまったのです。高市支持か否かを判別するはずの“踏み絵”が皮肉にも機能しなかったわけです」(同)
後編では、石破前首相に取材し、「国力研究会」についての本音を聞いている。
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