オスナだけではない…捕手を襲ってきた“バット禍”の怖すぎる歴史

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審判や捕手を守るためのルール整備を

 同じ日に2つの球場で、いずれも捕手が外国人打者のバット禍に遭うダブル災難が起きたのが、2017年4月4日の楽天対ソフトバンクと西武対オリックスである。

 前者では、楽天・嶋基宏が4回と6回の2度にわたってアルフレド・デスパイネのバットを頭部などに受けた。

 まず4回無死一塁、1ストライクから則本昂大の2球目、変化球を空振りした際にデスパイネのバットが嶋の後頭部をかすめ、マスクが取れるアクシデントが起きた。

 痛みをこらえて出場を続けた嶋だったが、6回1死一、二塁で、則本のワンバウンドのフォークを捕球しようとした際、デスパイネのバットの真ん中付近が後頭部、左肩、首付近に相次いでヒット。ワンバウンドしたボールが股間を直撃する不運も重なり、倒れて動けなくなった嶋は担架に乗せられて退場した。仙台市内の病院で検査を受けた結果、左頸部の打撲、むち打ち症と同じような状態と診断され、翌5日から2試合欠場した。

 一方、後者では、オリックス・若月健矢が3回2死二塁、エルネスト・メヒアのスイング後のバットを頭部に受けた。自力で起き上がり、プレーを続行したが、5回にもメヒアと木村文紀のバットが2打者連続で頭部を直撃したため、6回から大事を取って交代した。

 試合後、立川市内の病院で「頭部打撲」と診断され、嶋同様、2試合を欠場した。

今季は5月10日の中日対巨人でも、中日・木下拓哉のバットが巨人の捕手・大城卓三の頭部を直撃する事故が起き、オスナの一件以来、対策を検討していたNPBも翌11日に行われた実行委員会で、打者がスイング時にバットを手放す行為に対して、一発退場も含む新たな罰則規定を導入することを決めた(12日から適用)。

 野球は常に危険と隣り合わせのスポーツである。今回の新ルール導入が、審判や捕手を“バット禍”から守る大きな一石になることを願うばかりだ。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新著作は『死闘! 激突! 東都大学野球』(ビジネス社)

デイリー新潮編集部

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